電気自動車

電気自動車(EV)のオススメから人気ランキング、選び方やメリット・デメリットを解説!

国産・輸入(海外)問わず各メーカーから発売されるようになった電気自動車(EV)。エコで先進的なイメージから購入を検討している人も多いだろう。

この記事では、電気自動車(EV)のメリット・デメリットや選び方を解説。さらに具体的なオススメ車種を国産車と輸入車(海外車)に分けて紹介する。
 

 

目次

 

電気自動車(EV)とは?

電気自動車とは、バッテリーに蓄えられた電気を動力源としてモーターを動かし、走行する車のこと。EV(Electric Vehicle)やBEV(Battery Electric Vehicle)とも呼ばれる。

外から補充できるエネルギーは電気のみ。給油口の代わりに、充電口と大型バッテリーが備わっており、充電スタンドに限らず自宅でも充電することが可能だ。

同じくモーターを利用するハイブリッド車やPHEV(プラグインハイブリッド車)との違いとしては、ガソリン/ディーゼルエンジン(内燃機関)の有無にある。ハイブリッド車やPHEVにはエンジンが搭載されているが、電気自動車にはエンジンは搭載されていない。

つまり「電気自動車(EV)とは、電気を使ってモーターで走り、エンジンやガソリンを使わない車」と考えるとわかりやすい。ガソリンや軽油を燃やさないので排気ガスを生まず、環境に優しい点も特徴だ。
 

電気自動車 EV サクラ▲EVにも軽自動車が! 写真は人気の軽EV・日産 サクラ
電気自動車 EV サクラ 充電口▲電気自動車(EV)はガソリンではなく電気を充電する
 

電気自動車(EV)のメリット

電気自動車の長所は「エコ」なだけではない。ガソリン/ディーゼル車やハイブリッド車にはない独自の強みについて解説しよう。

【メリット1】静かでスムーズに走行できる
電気自動車はガソリン車やハイブリッド車と比べて静粛性が高い。エンジンと比べてモーターは駆動音が静かで、振動も少ないからだ。しかもモーターは、発進時から最大トルクを発揮できる。スムーズに加速するので、ドライブがより快適になるだろう。

【メリット2】独特のフィーリングを楽しめる
電気自動車には独特の“乗り味”がある。モーターによる加速力に加え、「回生ブレーキ」による減速もユニークだ。ガソリン車のエンジンブレーキより、自然かつ強力な減速が味わえるのも魅力だ。
 

電気自動車の走行▲ボディ下部に重いバッテリーを配置しているため、重心が低く、走行中の安定感が増すのも長所

【メリット3】ランニングコストを抑えられる
電気はガソリン・軽油より安価なので、電気自動車はガソリン/ディーゼル車やハイブリッド車よりもランニングコストが抑えやすい。また、エンジンオイルの交換なども不要。回生ブレーキによってブレーキを使う回数が減り、ブレーキパッドの摩耗も抑えられ、メンテナンス費用も軽減できる。

【メリット4】大型の蓄電池として活用できる
電気自動車は充電だけでなく「給電」も可能。一部のハイブリッド車やPHEVでも給電できるが、大型バッテリーを搭載している電気自動車に1日の長がある。車から家へ給電する「V2L vehicle to Load」で、キャンプなどのアウトドア時に活躍。車から家へ給電する「V2H(vehicle to home)」対応車なら、設備が整っていれば災害発生時の停電中でも自宅の電化製品を使える。

【メリット5】受けられる減税や補助金の幅が広い
電気自動車は多くの減税の対象となっている。自動車重量税は、エコカー減税によって新車登録時と初回車検時が免除。自動車税も、グリーン化特例によって新車登録の翌年度分がおおむね75%軽減される。かつての自動車取得税に該当とする「環境性能割」も非課税。また、国や各自治体の補助金も利用できる。例えば国による「CEV補助金」なら普通電気自動車で最大85万円、小型・軽電気自動車で最大55万円の補助金を受けられる。
 

電気自動車 EV eKクロスEV▲こちらは日産 サクラの「兄弟車」にあたる三菱の軽EV、eKクロスEV
 

電気自動車(EV)のデメリット

多くのメリットがある電気自動車だが、デメリットもある。ただ、きちんと対策を講じれば問題にはならないので、購入前にきちんと把握しておくことが大切だ。

【デメリット1】充電1回あたりの航続距離が短い
電気自動車は1回の充電にあたる航続距離(一充電走行距離)が短い。ガソリン車は軽自動車でも満タンなら500km以上走れる車種が多いが、電気自動車は150~700km程度。長距離を走る人なら、航続距離の長さに注目しよう。

【デメリット2】充電に時間と手間がかかる
大型のバッテリーを搭載する電気自動車は、充電に時間がかかる。自宅で普通充電する場合は数時間かかるし、充電スタンドなどで急速充電する場合でも数十分かかるケースが多い。最近では充電スタントが充実してきているが、エリアによっては見つけづらいこともある。ロングドライブで知らない街に行く場合などは、事前に充電スタンドの有無を確認するのが無難だ。
 

電気自動車の充電▲満充電するとバッテリーが劣化しやすくなるので、こまめに80~90%まで充電するのがベスト

【デメリット3】車両価格が高価な傾向に
電気自動車は税金面では優遇されているが、車両本体価格はガソリン車より高価なことが多い。長期的に見れば低コストであっても、購入時にはまとまった予算が必要となるのだ。購入費を抑えたいなら、補助金の利用を積極的に検討すると良いだろう。
 

 

電気自動車(EV)の選び方・ポイント

電気自動車でも基本的となる選び方は、ガソリン車などと一緒。ボディサイズや快適・安全装備などが、自分のニーズに合っていることが大前提だ。

そのうえで注目したいのが、下記5つのポイント。電気自動車独自の観点となるので、事前にきちんとチェックしておこう。

【1】電費性能
電気自動車の諸元表(スペック)には燃費がない。その代わりに「交流電力量消費率」が記載されている。燃費と同じくWLTCモードで測定されているが、Wh/kmで電費を示す。「1km走るのに何Whが必要か?」という単位であり、数字が低いほど低電費となる。ランニングコストの軽減を目的とするなら、燃費同様にきちんと比較しよう。
 

電気自動車▲電気自動車には1kWhあたりの走行距離を示す「km/kWh」という単位もある。これはWh/kmとは逆に数字が大きいほど電費性能が高くなる

【2】モーターの出力・トルク
ガソリン車やハイブリッド車と同様、モーターの出力とトルクは電気自動車でもチェックしたい。モーターの性能が高ければ高いほどアクセルを踏まずに済むため、電気のムダ遣いを抑えられる。航続距離と充電時間、場所がネックとなる電気自動車にとって、電気の消費を軽減できることは重要だ。

【3】一充電走行距離
電気自動車に乗るなら、できるだけ充電回数を減らしたいところ。そうなると、航続距離を示す一充電走行距離は見逃せないポイントだ。ガソリン車などと同じくWLTCモードで測定されているが、やはり実際の航続距離はカタログ値より短くなると予測される。一充電走行距離は自分が1日で走る距離より余裕を持たせるのがベターだ。
 

電気自動車の仕組み▲外部給電を頻繁に使う場合は、バッテリー容量も確認しておきたいポイントとなる

【4】充電能力
普通充電でも6kW以上の出力に対応する車種が増えているが、急速充電で何kWhまで対応できるかも確認しよう。最大受入能力が多いほど、早く充電を完了できる。また、最近では150kW以上の高規格なスタンドも設立されているので、急速充電にどれくらいの電力まで対応できるか確かめておきたい。メーカー公式HPなどで記載されていないこともあるので、購入前に店舗へ確認すべきだ。

【5】充電環境・V2H
電気自動車を購入するなら、自身の充電環境を確かめたい。自宅に充電設備を設置できるのか、または自宅付近に充電スタンドなどがあるのか調べておきたい。また、V2Hを利用したいなら車種が対応しているだけでなく、自宅にV2H機器を設置できるかもチェック。ちなみに、CEV補助金はV2H機器の購入も対象となっているので、購入を検討している人なら要件を確認しておくと良いだろう。
 

電気自動車と自宅▲メンテナンスや修理を行えるディーラー・店舗が自宅の周辺にあるかもリサーチしよう

【6】保証の期間・範囲
電気自動車の駆動用バッテリーは高性能だが、充電などによって経年劣化していく。駆動用バッテリーは高額なので、メーカー保証の範囲と期間は要確認。バッテリーの保証年月や距離はメーカーによって異なるので、不安ならきちんと比較検討しておこう。
 

 

「国産」電気自動車(EV)オススメ9選

最近では国産メーカーも電気自動車のラインナップ拡充を推進しており、選択肢が増加。日本の交通事情を考慮した使い勝手と、ディーラーが近くにある安心感の高さ、万が一の際にもパーツを入手しやすいメンテナンスのしやすさが国産電気自動車の魅力だ。
 

 

1.日産 サクラ(初代・現行型)

サクラ▲軽自動車で初めてプロジェクター式3眼ヘッドランプを採用した先進的なデザイン

現行型サクラは「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得した軽EVだ。高速道路での運転を支援する「プロパイロット」など先進装備が採用されているが、特筆したいのは最大トルク。軽のターボ車の場合は100N・m前後だが、サクラは195N・mと圧倒的な走行能力を発揮する。

さらに「e-Pedal Step」によってアクセルペダルの操作だけで、加減速をスムーズに調整できる。電気自動車としての本格的な性能によって、軽自動車でありながら高級セダンのような乗り心地となっている。
 

サクラ▲9インチのナビ画面や、スマホなどを置けるインパネ・ロアトレイもうれしい

カーセンサーの掲載物件数は約730台(2024年6月27日現在)。7割以上となる約550台が走行距離5000km未満となっている。車両平均価格は約180万円。グレード別に見るとスタンダードなXが7割弱、上級のGが約220台と3割となっている。2024年5月の仕様向上によって一部装備が拡充されているが、そこまで大きな変更ではなにので、価格優先で選ぶのがオススメだ。

 

▼検索条件

日産 サクラ(初代・現行型) × 全国

【現行型サクラの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×1655mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):124Wh/km
■モーター出力:64ps/2302~10455rpm
■モータートルク:195N・m/0~2302rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):180km
■急速充電(80%):対応(30kWで約40分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:233.3万~308.2万円
■中古車の支払総額帯:138.8万~324.8万円

 

2.三菱 eKクロスEV(初代・現行型)

eKクロスEV▲三菱が誇る先進装備「e-Assist」も標準装備されているので安心感も高い

現行型eKクロスEVは先に紹介した現行型サクラの兄弟車で、同じく「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。当然ベースはサクラと同じなので、室内寸法などに若干の違いはあるが、スペックに大きな差はない。

しかし、デザインにはそれぞれ個性がある。eKクロスEVはeKシリーズらしいフロントフェイスを採用。シルエットもSUVテイストに仕上げられている。インテリアもアクティブなデザインで、洗練さを強調したサクラと明確にキャラクターが分けられている。
 

eKクロスEV▲9インチのディスプレイに加え、エアコン操作にはタッチパネル式を採用。インパネやドアトリムの質感も優れている

カーセンサーの掲載物件数は約110台で、7割以上が走行距離5000km未満。平均車両価格は約215万円となっている。上級グレードのPが7割強を占めるのもうれしいところだ。
 

▼検索条件

三菱 eKクロスEV(初代・現行型) × 全国

【現行型eKクロスEVの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×1655mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):124Wh/km
■モーター出力:64ps/2302~10455rpm
■モータートルク:195N・m/0~2302rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):180km
■急速充電(80%):対応(30kWで約40分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:239.8万~313.2万円
■中古車の支払総額帯:141万~392.6万円

 

3.日産 リーフ(2代目・現行型)

2代目リーフ▲上級グレードには先進運転支援システム「プロパイロット」や駐車支援システム「プロパイロットパーキング」も搭載

コンパクトEVの先駆け的な存在であるリーフ。2017年に登場した現行型は最大トルク320N・m(「e+」は340N・m)を発生するモーターによって、パワフルに走る。ワンペダルで完全停止から停止保持までを行う「e-Pedal」も採用され、楽に運転できるのも長所だ。

デビュー当初は40kWhのバッテリーを搭載した通常グレードだったが、2019年1月のマイナーチェンジで62kWhのバッテリーを搭載したe+を設定。現在のe+は60kWhのバッテリーに変更されているが、それでも航続距離は450kmと必要十分だ。さらに「NISMO」や「AUTECH」といったスポーツモデルがラインナップされているのも魅力だ。
 

2代目リーフ▲2019年12月のマイナーチェンジでナビが9インチへと大型化された

カーセンサー掲載台数は約890台。平均走行距離は約3万6000kmで、平均車両価格は約170万円だ。電気自動車の総数が増えた影響か、2023年3月から平均走行距離は延びてないが、平均価格は40万円近く下落。オトク感が増しているのもポイントだ。

2020年2月のマイナーチェンジで運転支援技術「プロパイロット」の機能向上があったので、先進装備にこだわるならそれ以降のモデルを狙おう。なお、ハイパワーなe+の掲載台数は約210台と少なめ。気になる1台を見つけたら早めのチェックを心がけたい。
 

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日産 リーフ(2代目・現行型) × 全国

【現行型リーフの注目データ】
■ボディサイズ:全長4480mm×全幅1790mm×1540~1565mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):155~161Wh/km
■モーター出力:218ps/4600~5800rpm(e+)
■モータートルク:340N・m/500~4000rpm(e+)
■一充電走行距離(WLTCモード):322~450km
■急速充電(80%):対応(通常グレードは約40分、e+は約1時間)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:315万~583.4万円
■中古車の支払総額帯:84.7万~493.5 万円

 

4.日産 アリア(初代・現行型)

アリア▲2021年1月にデビューした現行型アリア。日産の新しいロゴを採用した最初のモデルでもある

現行型アリアは、日産初のクロスオーバーEVだ。ラグジュラリーな雰囲気だが、ミドルサイズSUVとしての実用性はきちんと確保。9.5インチのゴルフバッグを3セット積める積載性が備わっている。世界初となる「電動センターコンソールボックス」が採用され、室内からも電気自動車らしさを感じられるだろう。

グレードは主に2種類。66kWhのバッテリーを搭載した「B6」と、91kWhのバッテリーの「B9」で、それぞれに2WDと4WDが用意されている。4WD車には前後に同じモーターを搭載し、電動四輪制御技術「e-4ORCE」を導入。快適かつ安定した走行を楽しめる。
 

アリア▲電気自動車としてのフラッグシップだけあって室内は高級車然とした雰囲気

ただ、カーセンサーでは約170台が掲載。平均走行距離は約8000kmで、平均車両価格は約515万円だ。2023年3月から平均価格は約635万円だったので、120万円近く下落しており、この1年でだいぶ狙いやすくなった。

グレード別に見るとB6の2WDが8割強。2024年3月に遅れて発売されたB9の2WDと両e-4ORCE搭載車(4WD車)はまだ数台ほどで、同年6月に発売されたばかりのNISMOグレードは未掲載。もし条件に合う物件を見つけたら積極的な行動が吉だ!
 

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日産 アリア(初代・現行型) × 全国

【現行型アリアの注目データ】
■ボディサイズ:全長4595mm×全幅1850mm×1655~1665mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):166Wh/km
■モーター出力:218ps/5950~13000rpm(B6)
■モータートルク:300N・m/0~4392rpm(B6)
■一充電走行距離(WLTCモード):470km
■急速充電(80%):対応(50kWで約65分/90kWで約45分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:660万円(B6 リミテッド)
■中古車の支払総額帯:635.8万円
 

 

5.スバル ソルテラ(初代・現行型)

ソルテラ▲先進予防安全パッケージ「SUBARU Safety Sense」を採用し、高い安全性能を誇る

ミドルサイズSUVの現行型ソルテラは、電気自動車としてのバランスの高さが魅力。126Wh/kmという高い電費性能を誇り、567kmという十分な航続距離を確保している。さらに、150kW出力の急速充電器にも対応。太陽光発電ができる「ソーラールーフ」もオプション設定されている。

加えて、専用のプラットフォームによって走行性能が向上。「前後独立モーター駆動式AWD」と、駆動力を適切に制御する「X-MODE」によって、悪路走破性も高い。また、後続距離も長いFF車と出力とトルクが高い4WD車が用意。スタンダードグレードに当たる「ET-SS」の4WD車と上級グレードの「ET-HS」にはパドルシフトを標準装備し、思い切り走りを楽しめる。
 

ソルテラ▲フードレスのメーターデザインが印象的。荷室高を2段階で調節できる可変フロアボードが採用されるなど、積載性も十分以上だ

カーセンサー掲載台数は4台と希少。平均車両価格は約500万円で、支払総額で見ると495万~580.6万円となっている。走行距離が5000~1万1000kmであることを踏まえると、相応の価格帯と言えるだろう。ET-HSも見つけられたので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
 

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スバル ソルテラ(初代・現行型) × 全国

【現行型ソルテラの注目データ】
■ボディサイズ:全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):126~148Wh/km
■モーター出力:150kW/5379~7500rpm(ET-SSのFF車)
■モータートルク:266N・m/0~5379rpm(ET-SSのFF車)
■一充電走行距離:487~567km
■急速充電(80%):対応(150kWで約30分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:594万~682万円
■中古車の支払総額帯:495万~580.6万円

 

6.トヨタ bZ4X(初代・現行型)

bZ4X▲2022年5月に発売された現行型bZ4X。遮音性の高いガラスを採用するなど、電気自動車ならではの乗り心地のよさを味わえる

現行型bZ4Xは、現行型ソルテラと同じプラットフォームを採用する兄弟車。デビュー当初はリース販売と「KINTO」によるサブスクリプション契約のみだったが、2023年11月より一般販売も開始された。

モーターやバッテリーなど多くの部品をソルテラと共有しているが、乗り味は異なる。ガッチリとしたソルテラに対し、bZ4Xの乗り心地は比較的マイルドで。ハンドリングも軽快になっている。装備の違いによって航続距離や電費などに差が生まれているが、基本的に両車の実力は伯仲している。そのため、乗り味の好みや装備内容で選ぶのがオススメだ。
 

bZ4X▲室内はミドルサイズSUVらしく広々としている。ソルテラにはあるパドルシフトはbZ4Xには採用されていないので注意

カーセンサー掲載台数は約20台。すべて上級グレードの「Z」で、2WDと4WDが半々となっている。平均走行距離は約5000km。オプションのサンルーフを備えた物件が8割ながら、平均車両価格が約445万円で、支払総額が435.7万~510.4万円と、早くもオトク感が漂い始めている。
 

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トヨタ bZ4X(初代・現行型) × 全国

【現行型bZ4Xモデルの注目データ】
■ボディサイズ:全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):126~148Wh/km
■モーター出力:203.9ps
■モータートルク:266N・m
■一充電走行距離(WLTCモード):487~567km
■急速充電(80%):対応(50kWで約60分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:550万~650万円
■中古車の支払総額帯:435.7万~510.4万円

 

7.マツダ MX-30 EVモデル(初代・現行型)

MX-30 EVモデル▲ボディカラーには2トーンも3色ラインナップ。ルーフをブラック、ルーフサイドをメタリックカラーとした3トーンも

現行型MX-30 EVモデルはその名のとおり、MX-30マイルドハイブリッドをベースにしている。後席ドアの観音開きなどの個性は引き継ぎつつ、電動化技術「e-スカイアクティブ EV」を採用。「エレクトリック G-ベクタリング コントロール プラス」によって走行安定性も向上している。

もちろん、マツダらしい走りの楽しさは健在だ。EV専用の「ステアリングホイールパドル」が採用され、回生減速度を調整可能。車速をコントロールしやすくなっている。また、モータートルクに同期した「EVサウンド」を車内に鳴らすことで、走行状態を伝え、運転をサポート。爽快で心地よいドライブを満喫できる。
 

MX-30 EVモデル▲ペダルやインパネの配置にこだわり、安心して運転できるレイアウトとなっている

カーセンサー掲載台数は約20台で、平均走行距離は約1万km。上級グレードの「ハイエストセット」が7割以上を占めるため、平均価格は約268万円となっている。ただ、物件によっては総額200万円前後で走行距離4000kmで中間グレードのベーシックセットや2万4000kmのハイエストセットも見つけられる。

中古車購入で注意したいのは給電機能の有無。2022年11月のマイナーチェンジでAC1500W/AC150W電源、V2Hの給電機能が追加されている。これらの装備を重視するなら、以降のモデルを狙うのが鉄則だ。
 

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マツダ MX-30 EVモデル(初代・現行型) × 全国

【現行型MX-30 EVモデルの注目データ】
■ボディサイズ:全長4395mm×全幅1795mm×全高1565mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):145Wh/km
■モーター出力:145ps/4500~11000rpm
■モータートルク:270N・m/0~3243rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):256km
■急速充電(80%):対応(50kWで約25分)
■V2H:対応(改良モデル)
■新車時の車両価格帯:451万~501.6万円
■中古車の支払総額帯:200.5万~440.4万円

 

8.レクサス UX300e(初代・現行型)

UX300e▲ベースとなったUXよりも最低地上高が20mmほど低くなっている

2020年10月に登場した、レクサスのコンパクトSUVであるUXの電気自動車版。ベースモデルと基本は一緒だが、専用のシステムやショックアブソーバーなどが採用されている。レクサスの上質さに、電気自動車の静粛性や走行安定性が加わり、より走りの高級感アップ。先進安全装備の「Lexus Safety System +」も備えているので、ドライブも快適かつ安全に楽しめる。

最初モデルではバッテリー容量が54.4kWhで、航続距離が367kmだったが、2023年3月のマイナーチェンジによってバッテリー容量が72.8kWh、航続距離も512kmへと伸長。同時にV2Hにも対応された。さらに、2024年1月には急速充電時間も約25%短縮されている。
 

UX300e▲UX300eの車内。カラーヘッドアップディスプレイがオプション設定される
UX300e▲電気自動車用のメーターを採用

カーセンサー掲載台数は約40台。平均走行距離は1万5000km。平均車両価格は約397万円だが、6割強が上級グレードの「バージョンL」となっている。

中古車購入で気をつけたいのは物件の年式。2023年3月と2024年1月の改良では、バッテリー容量や充電機能の向上だけでなく、先進安全装備も拡充されている。しかし、掲載物件はすべて2022年以前であり、改良前の最初期モデルとなっている。電力性能や安全性能を重視するなら改良モデルが掲載されたら即行動。もちろん、価格優先なら最初期モデルを積極的に狙うのもアリだ!
 

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レクサス UX300e(初代・現行型) × 全国

【現行型UX300eの注目データ】
■ボディサイズ:全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):140Wh/km
■モーター出力:203ps
■モータートルク:300N・m
■一充電走行距離(WLTCモード):367km
■急速充電:対応(50kWで約80分 ※フル充電)
■V2H:対応(改良モデル)
■新車時の車両価格帯:580万~635万円
■中古車の支払総額帯:469.9万~735万円

 

9.レクサス RZ(初代・現行型)

RZ▲2023年3月に登場した現行型RZ。グリル部分とバンパー、ボンネットが溶け込んだ「スピンドルグリル」が印象的だ

現行型RZはレクサス初となる電気自動車専用モデル。プラッフォームは現行型bZ4Xと同じ「e-TNGA」を採用しているが、レクサスらしく上質に仕上げられている。フロント&サイドガラスへの防音ラミネート加工や構造用接着剤の多用などによって静粛性を追求。当然、内装も洗練されており、居心地のよさは上々だ。

走りでは「ザ・ナチュラル」をテーマに掲げ、ドライバーの操作に素直に応える乗り味となっている。加速に応じてモーター音が心地よく響くようにューニングされているのもポイントだ。見逃せないのは、前後にモーターを備える4WDシステム「ダイレクト4」。最適な駆動力配分によって優れた安定性を発揮しながらも、低電費に貢献してくれている。
 

RZ▲コックピットでは、馬を操る際の「手綱」に由来する「Tazunaコンセプト」を採用。メーターやタッチディスプレイ、ステアリングなどを最適配置し、スムーズな操作を可能としている

カーセンサー掲載台数は約20台。2023年11月に追加された2WDの「300e」は未掲載で、すべて4WDの「450e」となっている。平均走行距離は4000kmで、平均価格は約759万円。パノラマルーフ装着車が7割以上を占めるなど、高級車らしく豪華仕様の物件が多い。条件に合う物件があるなら、中古車での購入も良き選択肢となるはずだ。
 

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レクサス RZ(初代・現行型) × 全国

【現行型RZの注目データ】
■ボディサイズ:全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):120~147Wh/km
■モーター出力:203.9ps(300e)
■モータートルク:266N・m(300e)
■一充電走行距離(WLTCモード):494~599km
■急速充電:対応(50kWで約60分 ※フル充電)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:820万~1180万円
■中古車の支払総額帯:739.9万~998万円

 

「輸入」電気自動車(EV)オススメ16選

海外メーカーは電気自動車に注力しているため、電気自動車の選択肢が豊富。特にボディサイズやバッテリー容量が大きい車を欲しい人にとって、輸入電気自動車は有力な候補となるだろう。
 

 

1.テスラ モデル3(初代・現行型)

モデル3▲後輪駆動のRWDに加え、2機のモーターを備えるAWDもラインナップ

モデル3はテスラ車の中では比較的コンパクトな5人乗りセダン。日本には2019年9月から導入された。デビュー後も改良され続け、モーター出力や駆動用バッテリー容量は年々アップデート。最新型では、より高出力・高トルクなモーターを前後に備えた上級モデル「パフォーマンス」で、0-100km加速3.1秒という俊足ぶりを披露している。

テスラのエントリーモデルだが、同一車線内での操舵や加減速を支援する「オートパイロット」など先進的な装備も充実。こうした機能についても、コネクテッドサービスにより随時アップデートされるのがテスラ車の魅力だ。
 

モデル3▲大きなガラスルーフを備え、車内はオープンカーのような開放感がある

カーセンサー掲載台数は約120台で、そのうち5割弱は走行距離2万km以下。支払総額を見ると265.3万~562.5万円で、走行距離5万km以下なら総額300万円台前半の物件を見つけられる。電気自動車の筆頭格であるテスラをこの値段で乗れるなら、オトクと言えるだろう。
 

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テスラ モデル3(初代・現行型) × 全国

【現行型モデル3の注目データ】
■ボディサイズ:全長4720mm×全幅1850mm×全高1430~1440mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):127~149Wh/km
■モーター出力:208kW(RWD)
■モータートルク:350N・m(RWD)
■一充電走行距離(WLTCモード):573~706km
■急速充電(80%まで):対応
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:541.3万~735.9万円(2024年モデル)
■中古車の支払総額帯:265.3万~562.5万円

 

2.テスラ モデルY(初代・現行型)

モデルY▲クーペテイストのフォルムで、モデルXよりもひとまわりコンパクト

電気自動車メーカーの代表格であるテスラのミドルサイズSUV。2022年6月に日本発売が開始されたモデルYは、クーペのようなスタイリングが魅力だ。グレードは後輪駆動の「RWD」と、4WDで航続距離に優れる「ロングレンジ」、同じく4WDでハイパワーな「パフォーマンス」の3種類。パフォーマンスでは0-100km/h加速3.7秒を達成している。

走行性能もさることながら実用性も抜群。航続距離はRWDで507km、パフォーマンスで595km、ロングレンジなら605kmと十分以上。日本国内に110ヵ所以上も設置されているテスラ製スーパーチャージャーを利用できるのも強み。ロングレンジとパフォーマンスなら250kWの急速充電に対応し、15分で261km分の電気をチャージできる。荷室は最大2158Lまで拡大可能。アウトドアでも活躍してくれるはずだ。
 

モデルY▲シートは100%動物性レザーフリーのヴィーガンレザー。15インチサイズのタッチディスプレイも目をひく

カーセンサー掲載物件は約50台で、約6割が走行距離1万km未満。走行距離3万kmでも総額400万円台前半から狙え、低走行車も見つけやすい。

グレードで見るとRWDが半数以上を占めるが、パフォーマンスも見つけられる。長距離ドライブを頻繁にするならロングレンジやパフォーマンスが便利だが、たまに遠出するくらいならRWDを狙うのも一興。中古で買えばコスパも高まるだろう。
 

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テスラ モデルY(初代・現行型) × 全国

【現行型モデルYの注目データ】
■ボディサイズ:全長4760mm×全幅1625mm×全高1925mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):メーカー非公表
■モーター出力:前158kW+後220kW(ロングレンジ)
■モータートルク:後240N・m+後350N・m(ロングレンジ)
■一充電走行距離(WLTCモード):507~605km
■急速充電:対応
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:543.7万~707.9万円(2024年モデル)
■中古車の支払総額帯:403万~767.9万円

 

3.テスラ モデルS(初代・現行型)

モデルS▲高速道路の走行中に自動で車線を変更する「オートレーンチェンジ」など先進安全装備も充実!

2013年に日本で発売された、テスラのフラッグシップ・セダンがモデルS。最高級にふさわしいインテリアの質感と、未来的なデザインに憧れる人も多い。中でも目を引くのは、17インチタッチスクリーンで2200×1300の高解像ディスプレイ。停車中にゲームや映画などを楽しめるだけでなく、運転中には左右に傾けられて情報を確認しやすい。

現在のグレード構成はデュアルモーターAWDの「モデルS」と、トライモーターAWDとなる「モデルS プラッド」。プラッドの0-100km/hは2.1秒というF1カー以上の加速力を誇っている。推定航続距離は最長600km。テスラのスーパーチャージャーを利用すれば、最大322km走行分の電気を約15分で充電できるのも見事だ。
 

モデルS▲ラグジュアリーな室内だが、後席を倒せば荷室容量が最大1640Lになるなど使い勝手も良い

カーセンサー掲載台数は約50台で、約6割が走行距離5万km以下。年式は2017年式が最も多い。支払総額帯を見ると215万~1600万円と幅広いが、走行距離5万km以下なら総額300万円台で狙える物件もある。

なお、過去のモデルは「P100D」と記載されているが、「P」は高性能版、「100」はバッテリー容量、「D」はデュアルモーターを示す。75Dなら「バッテリー容量75kWのデュアルモーター車」となるので、検索する際にも覚えておこう。
 

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テスラ モデルS(初代・現行型) × 全国

【現行型モデルSの注目データ】
■ボディサイズ:全長5025mm×全幅1430mm×全高1990mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):メーカー非公表
■モーター出力:1020hp(プラッド)
■モータートルク:メーカー非公表
■一充電走行距離(WLTCモード):600~637km
■急速充電:対応
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:1276.9万~1576.9万円(2024年モデル)
■中古車の支払総額帯:215万~1600万円

 

4.フィアット 500e(初代・現行型)

500e▲2022年6月に登場した500eはフィアット初の電気自動車。ちなみに、ハッチバックだけでなくオープンモデルも存在する

現行型500eは、扱いやすさと走りの上質さが持ち味だ。全長3630mm、全幅1685mmとボディはコンパクト。最小回転半径は5.1mと取り回しに優れ、日本の交通事情にもフィットしている。航続距離はWLTCモードで335km。CHAdeMOの急速充電に対応し、電気性能も必要十分だ。

走りでは、車重は1330kgと軽めで、500らしい軽快さも堪能できる。加えて、比較的ガソリンエンジンに近いドライビングフィールを残しつつも、モーターならではの静粛性をプラス。ガソリン車の500よりも上質な乗り味となっている。
 

500e▲インフォテインメントシステムは10.25インチタッチパネルモニターを採用。さらに、ボタン式シフトセレクターを配するなど、先進的なインパネとなっている

カーセンサー掲載台数は約30台で、半数以上が2023年12月まで設定されていたエントリーグレードの「ポップ」となっている。平均走行距離は約4000kmで、平均価格は約340万円。毎年のように価格設定は見直されているが、仕様に変更はないため、リーズナブルな2022年式を中心に検討するのがオススメだ。
 

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フィアット 500e(初代・現行型) × 全国

【現行型500eの注目データ】
■ボディサイズ:全長3630mm×全幅1685mm×全高1530mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):128Wh/km
■モーター出力:118ps/4000rpm
■モータートルク:118N・m/4000rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):335km
■急速充電(80%):対応
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:450万~553万円
■中古車の支払総額帯:278.8万~533.2万円
 

 

5.プジョー e-208(初代・現行型)

e-208▲2020年7月に登場した現行型e-208。街乗りにはもってこいのサイズ感が長所だ

コンパクトカーの2代目208をベースとした電気自動車。質感が高い内装は2代目208と同様でしゃれっ気が漂っている。フロントに配置された駆動用モーターは260N・mを発生、50kWhのバッテリーと組み合わされ、航続距離は395km(2022年4月以前は380km)となっている。3つのドライビングモードと2つのブレーキモードが備えられているのも見逃せない。

グレードは「GT(ライン)」と「アリュール」の2つ。違いは主に内外装で、上位グレードに当たるGTの方が全体的に豪華な仕立てとなっている。乗り心地に関してはGTがスポーティ、アリュールがマイルドといったキャラクター分けだ。
 

e-208▲小径ステアリングやヘッドアップインストルメントパネルを採用するプジョーの「i-Cockpit」は独特の雰囲気

カーセンサー掲載台数は約50台で、そのうちGTが9割を占める。平均走行距離は約3500kmだが、走行距離5000km未満の物件が7割強だ。平均価格は約328万円だが、総額230万円から狙えるので、費用を抑えたいなら中古車での購入も一案だ。
 

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プジョー e-208(初代・現行型) × 全国

【現行型e-208の注目データ】
■ボディサイズ:全長4095mm×全幅1745mm×全高1445~1465mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):149Wh/km
■モーター出力:136ps/5500rpm
■モータートルク:260N・m/300~3674rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):395km
■急速充電(80%):対応(50KWで約50分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:389.9万~512.4万円
■中古車の支払総額帯:230万~481.6万円
 

 

6.フォルクスワーゲン ID.4(初代・現行型)

ID.4▲ID.4は、フォルクスワーゲンの電気自動車「ID」シリーズの中核を担うモデル。現行型は2022年11月に登場した

現行型ID.4は、質実剛健さが特徴だ。電気自動車専用のプラットフォーム「MEB」によって居住性は上々。ミドルサイズSUVにふさわしい積載性を有しており、荷室容量は後席を倒すと最大1575Lまで拡大できる。内外装のデザインはシンプルだが、作り込まれているのも好印象だ。

グレード構成はエントリーの「ライト」と上級の「プロ」の2種類。後者の方がモーターの出力が高く、航続距離も高められている。もちろん、どちらのグレードでも走行性能は十分以上。大容量のバッテリーを積む電気自動車はガソリン車より重たいのが常となるが、グイグイと加速してくれる。乗り味はマイルドで、特に街乗りでは快適さを感じさせてくれるはずだ。
 

ID.4▲内装はドイツ車らしい重厚感が漂う。ただ、アクセルペダルに再生マーク、ブレーキペダルに一時停止マークをモチーフとしたデザインを採用するなど、遊び心も演出されている

カーセンサー掲載台数は約80台。グレード別に見ると、日本発売時に設定された導入仕様の「プロ ローンチエディション」が8割以上を占める。平均走行距離は約4000kmで、平均価格は約422万円だ。総額400万円以下で、走行距離1万km以下の物件を見つけることもできる。

注意したいのは、2022年式と2023年式で航続距離が異なることだ。ライトは前者が388kmで、後者が435km。プロでは前者が561kmで、後者が618kmとなっている。2023年8月に2023年モデルへと切り替わっているので、航続距離を重視するなら、きちんと確認したい。なお、2024年モデルはまだ日本には導入されていない。
 

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フォルクスワーゲン ID.4(初代・現行型) × 全国

【現行型ID.4の注目データ】
■ボディサイズ:全長4585mm×全幅1850mm×全高1640mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):132~135Wh/km
■モーター出力:204ps/4621~8000rpm(プロ)
■モータートルク:310N・m/0~4621rpm(プロ)
■一充電走行距離(WLTCモード):435~618km
■急速充電(80%):対応(90kWで約40分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:499.9万~648.8万円
■中古車の支払総額帯:379.8万~542.3万円

 

7.アウディ Q4スポーツバックe-tron(初代・現行型)

Q4スポーツバックe-tron▲Q4 e-tronと同じミドルSUVだが、スポーツバックはクーペライクなフォルムとなっている

Q4スポーツバックe-tronは、2022年1月に登場。全長4590mm×全幅1865mm×全高1615mmというボディサイズで、使い勝手も優れている。荷室は535L、後席を倒せば1460Lにまで拡大可能。フロントガラスに情報を投影する「ARヘッドアップディスプレイ」によって視線の移動を抑え、楽に運転できる。

電気自動車としての性能も折り紙付きだ。出力が150kW、トルクが310N・mのモーターをリアアクスル上に搭載。後輪を駆動するRRレイアウトで、素直かつ軽やかに走行してくれる。回生システムで効率を考慮し、航続距離も576kmを確保。さらに、2022年12月の年次改良で594kmに延長している。多様なシーンに対応するオールマイティさが魅力だ。
 

Q4スポーツバックe-tron▲センターコンサールは独特のデザイン。運転席まわりも先進的だ

カーセンサー掲載台数も約50台。グレード別に見るとスタンダードな「アドバンスト」が約30台、スポーティな「Sライン」が約20台となっている。平均走行距離は約5000kmで、平均車両価格は約503万円。アドバンストなら、総額400万円台前半の物件で狙うことができる。

なお、アドバンストとSラインはパワートレインや電費などは同じだが、ホイールサイズが違うので、乗り心地は若干異なる。スポーティな走りを楽しみたいなら、Sラインがベストだ。
 

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アウディ Q4スポーツバックe-tron(初代・現行型) × 全国

【現行型e-tron スポーツバックの注目データ】
■ボディサイズ:全長4590mm×全幅1865mm×全高1600~1615mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):145Wh/km
■モーター出力:150kW
■モータートルク:310N・m
■一充電走行距離(WLTCモード):594km
■急速充電(80%):対応(50kWで約74分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:688万~758万円
■中古車の支払総額帯:412.4万~641.4万円

 

8.メルセデス・ベンツ EQA(初代・現行型)

EQA▲外観は通常の「Electric Artライン」と、「AMGライン」の2種類(写真は「AMGライン」)

2021年4月にデビューした現行型EQAは、流麗なボディラインが特徴的。日本でも取り回しやすいボディサイズも魅力だ。しかし、必要十分以上の電力性能を有している。デビュー当初は66kWhのバッテリーを搭載し、航続距離555kmを達成。2024年4月のマイナーチェンジで、バッテリーを70.5kWhに強化し、航続距離も591kmへと拡大している。

ステアリングに装備されているパドルで、回生ブレーキの利きを切り替えられる。AMGラインパッケージ装備車には走行状況に合わせてダンパー減衰力を最適に制御するアジャスタブルダンピングシステムも装備。ハンドリングや操る楽しさ、長距離走行でも疲労の少ない快適性が重視され、メルセデス・ベンツらしさを楽しめる。
 

EQA▲大きなコックピットディスプレイには車速や回生レベル、バッテリー残量などがわかりやすく表示

カーセンサー掲載台数は約60台で、2024年4月のマイナーチェンジモデルに当たる「250プラス」は未掲載となっている。平均走行距離は約8500km。走行距離が長い物件もあるが、8割弱が走行距離1万km以下だ。

平均価格は約498万円で、総額400万円前半でもAMGラインパッケージも見つけられる。電力性能よりも価格を優先するなら、中古車での購入を検討するのも賢い選択肢だろう。
 

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メルセデス・ベンツ EQA(初代・現行型)× 全国

【現行型EQAの注目データ】
■ボディサイズ:全長4465mm×全幅1835mm×全高1610mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):140Wh/km(250プラス)
■モーター出力:190ps/3600~10300rpm(250プラス)
■モータートルク:385N・m/1020rpm(250プラス)
■一充電走行距離(WLTCモード):591km(250プラス)
■充電時間:AC200V 30Aで約11時間
■急速充電(80%まで):対応(90kWで約50分/50kWで約79分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:640万~837万円
■中古車の支払総額帯:408.8万~658万円

 

9.メルセデス・ベンツ EQE(初代・現行型)

EQE▲Eクラスよりホイールベースが180mmほど長い。ボディは全長4970mm×全幅1905mm×全高1495mm

メルセデス・ベンツの主力であるEクラスの電気自動車版。ガソリン車とは異なるデザインが採用されており、弓の弦のように美しい弧を描くルーフラインが特徴だ。エクステリアと同様にインテリアも先進的。高級感にあふれ、広々とした後席はゆったりとくつろげる。

624kmという優れた航続距離を誇りながら、出力は292ps、トルクも565N・mと優秀だ。輸入車として珍しくV2Hにも対応している。グレードとして設定されているのは「350プラス」のみ。AMGラインエクステリアやスポーツシートなどをまとめた「AMGラインパッケージ」がオプション装備を用意されており、スポーティな装いとすることもできる。
 

EQE▲好みや行動を理解・学習しサポートするインフォテインメントシステム「MBUX」を採用

カーセンサー掲載台数は約30台で、ほとんどがAMGラインパッケージとなっている。平均走行距離は約7500km、平均車両価格は約777万円。ただ、走行距離1万km以下で総額700万円以下の物件も見つけられる。

なお、グレード名に併記される「MP202301」「MP202302」はモデル識別コードで、前者が2022年9月からの2022年モデル、後者が2023年4月からの2023年モデルを表す。物件選びをする際に役立つので、覚えておくと良いだろう。
 

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メルセデス・ベンツ EQE(初代・現行型) × 全国

【現行型EQEの注目データ】
■ボディサイズ:全長4955~4970mm×全幅1905mm×全高1495mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):176Wh/km
■モーター出力:292ps
■モータートルク:565N・m
■一充電走行距離(WLTCモード):624km
■急速充電(80%):対応(90kWで約54分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:1248万~1295.7万円
■中古車の支払総額帯:631.5万~951万円

 

10.BMW iX1 (初代・現行型)

iX1▲2023年2月に登場した現行型iX1。X1シリーズは全長4500mmのミドルサイズSUVだが、BMWのSUVとしては最もコンパクトだ

現行型iX1は、X1と合わせて「2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の輸入車部門(インポート・カー・オブ・ザ・イヤー)を受賞。デビュー時は前後にモーターを備える4WDの「xドライブ30」系だけだったが、2024年5月にFFの「eドライブ20」が追加設定されている。

特徴となるのは、「駆けぬける歓び」を掲げるBMWらしい走りの良さだ。モーターは、xドライブ30ではシステム総合出力272ps、総合トルク494N・mを発揮。ステアリングや足回りも一級品で、ハンドリングも痛快に仕上げられている。さらに、ステアリングのパドル・スイッチを引くだけで出力を瞬間的に増強する「スポーツ・ブースト機能」も面白い。
 

iX1▲内装は先進的かつ実用的。ドライバーが見やすいように湾曲した「カーブドディスプレイ」を採用し、ナビやオーディオなどを直感的に操作的できる

カーセンサー掲載台数は約40台。eドライブ20 Mスポーツは未掲載で、xドライブ30のMスポーツとXラインがおおむね半々となっている。平均走行距離は約4500km。平均価格は約517万円で、大半が総額500万円台で狙える。

2024年5月のマイナーチェンジではeドライブ20が追加設定されただけで、xドライブ30の性能は変更されていない。購入価格を抑えたいなら、中古車での購入を視野に入れるのも妙案だ。
 

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BMW iX1(初代・現行型) × 全国

【現行型iX1の注目データ】
■ボディサイズ:全長4500mm×全幅1835~1845mm×全高1620mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):150~155Wh/km
■モーター出力:272ps(xドライブ30)
■モータートルク:494N・m(xドライブ30)
■一充電走行距離(WLTCモード):465~495km
■急速充電(80%):対応(90kWで約50分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:650万~718万円
■中古車の支払総額帯:499.5万~668万円

 

11.BMW iX (初代・現行型)

iX▲専用開発されたボディは全長4953mm×全幅1967mm×全高1695mmというビッグサイズ!

「iX」シリーズ(BMWの電気自動車SUV)におけるフラッグシップモデルがiXだ。2021年11月に発売された現行型は、前後に1モーターを搭載。エントリーグレードの「xドライブ40」は航続距離450km、上級グレードの「xドライブ50」は650kmとなっている。さらに、2022年5月にはハイパフォーマンスモデルの「M60」を追加。航続距離は615kmだが、0-100km/h加速は3.8秒という高性能だ。

フラッグシップだけあって車内はラグジュアリーで、その走行からも高級感が漂う。パワフルに走る一方で、自然な加速感や高い静粛性によってドライブを快適に演出。しなやか、かつフラットな乗り心地はクルーザーのようだ。
 

iX▲BMWで最大の「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」を標準装備し、車内は開放感抜群だ

カーセンサー掲載台数は約60台で、xドライブ40とxドライブ50がほとんど。M60は2台と希少なので、中古車での購入を検討しているなら早めのチェックが求められる。

掲載車両の平均走行距離は約1万1000km。平均価格は約867.1万円だが、xドライブ40なら総額700万円以下で購入できる物件を見つけられる。登場3年を迎える2024年11月以降は、よりリーズナブルな物件が流通する可能性もあるので、ますますiXの中古車から目が離せないだろう。
 

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BMW iX (初代・現行型) × 全国

【現行型iXの注目データ】
■ボディサイズ:全長4955mm×全幅1965mm×全高1695mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):183~199Wh/km
■モーター出力:326ps(xドライブ40)
■モータートルク:630N・m(xドライブ40)
■一充電走行距離(WLTCモード):455~650km
■急速充電(80%):対応(150kWで40分前後)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:981万~1798万円
■中古車の支払総額帯:596.9万~1289万円

 

12.ポルシェ タイカン(初代・現行型)

タイカン▲0.22のCd値を誇るスタイリッシュな5ドアセダン

ポルシェ初の電気自動車がタイカンだ。2020年6月のデビュー当初は「4S」「ターボ」「ターボS」というグレード構成で、いずれも前後にモーターを配した4WD車だった。ただ、2021年1月にはRRのベーシックモデル「タイカン」が追加。同年11月には「GTS」も設定した。ポルシェらしく、ダイナミックでリニアな走りを楽しめる。

タイカンと4Sには79.2kWhの「パフォーマンスバッテリー」が標準で、オプションで93.4kWhの「パフォーマンスバッテリー プラス」も搭載可能。GTSとターボとターボSにはパフォーマンスバッテリー プラスが標準化されている。もちろんパワートレインにも違いがあり、航続距離492kmのGTS、0-100km/h加速2.8秒のターボSと自分好みの1台を選べるのもタイカンの強みだ。
 

タイカン▲電気自動車であっても、ドライバーを中心としたインテリアデザイン。ポルシェらしさ満載だ!

カーセンサー掲載台数は約110台。最も台数が多いのがパフォーマンスバッテリープラスの4+1シートで、後発のGTS系は比較的少なくなっている。平均走行距離は約7500kmで、平均車両価格は約1327万円。しかし、登場から4年以上が経過しているため、総額1000万円以下の物件も見つけられる。

ディーラー系の中古車が2/3を占めているので、アフターサービスを含め安心して購入できるだろう。
 

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ポルシェ タイカン(初代・現行型) × 全国

【現行型タイカンの注目データ(一部本国仕様の情報を掲載)】
■ボディサイズ:全長4963~4968mm×全幅1966~1998mm×全高1378~1379mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):209~260Wh/km
■モーター出力:435ps(パフォーマンスバッテリープラス)
■モータートルク:650N・m(パフォーマンスバッテリープラス ※ローンチコントロール使用時)
■一充電走行距離(WLTCモード):374~492km
■急速充電(80%まで):対応(4S パフォーマンスバッテリーなら150kWで約24分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:1171万~2476万円
■中古車の支払総額帯:809.5万~2267.6万円

 

13.ボルボ C40(初代・現行型)

C40▲360°ビューカメラや衝突回避支援機能など先進安全装備もバッチリ投入されている

C40は「2030年までにラインナップを電気自動車にする」と宣言したボルボが初めて投入したモデル。回生ブレーキによる「ワンペダルドライブ機能」で電気自動車らしい操作感を味わえる。Googleと共同開発したAndroid OSをベースにしたインフォテインメント・システムを搭載し、デジタル・サービスを提供しているのもポイントだ。

グレードは「シングルモーター」と「ツインモーター」に大別される。前者はモーター1基のFF車でトルクが330N・m、航続距離が502km。後者は前後にモーターを備えて4WD車でトルクが660N・m、航続距離が約485kmとなっている。ただ、現在はツインモーターが廃され、シングルモーターの「プラス」とその強化版「アルティメット」が設定されている。
 

C40▲レザーフリーなインテリア。リサイクル素材を混紡したシート表皮やカーペットなど、サステナブルな素材を使用している

カーセンサー掲載台数は約70台。最多グレードはツインモーターで、続いてシングルモーターのアルティメットが多くなっている。

平均走行距離は約8500km。平均価格は約490万円で、2023年3月から180万円近く下落している。走行距離1万kmでも総額450万円台前半の物件も掲載されており、中古車として“おいしく”なってきている。今こそ注目したい1台だ!
 

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ボルボ C40(初代・現行型) × 全国

【現行型C40の注目データ】
■ボディサイズ:全長4440mm×全幅1875mm×全高1595mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):143Wh/km(2023年モデル)
■モーター出力:238ps/4000~5000rpm(2023年モデル)
■モータートルク:418/1000rpm(2023年モデル)
■一充電走行距離(WLTCモード):590km(2023年モデル)
■急速充電(80%):対応(50kWで約60分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:499万~759万円
■中古車の支払総額帯:418万~637.3万円

 

14.ジャガー Iペイス(初代・現行型)

Iペイス▲エアロダイナミックスが考慮された、SUVながらクーペのように低く構えたスタイルがウリだ

現行型Iペイスは、ジャガー初となる電気自動車。「エレクトリック・パフォーマンスSUV」と称すだけあって、その実力は高い。ボディの95%近くにアルミ合金を採用し、軽量化と高剛性を両立。前後2つのモーターは計696N・mという高トルクを発揮し、グイグイと加速する。ジャガーならではの硬すぎず柔らかすぎない足回りも好印象だ。

搭載するバッテリーは90kWhの大容量。航続距離は438kmで、ロングドライブにも十分対応できる。用意されるグレードは「HSE」、「SE」、「S」の3グレードが基本。そこに、1年間限定だった「ファーストエディション」や、スタイリッシュな「ブラックエディション」が加わっている。
 

Iペイス▲上品なレーザーをまとった室内。意外にも見切りが良いので、運転しやすいのもポイントだ

カーセンサーには約30台が掲載。2019~2022年までのモデルとなっている。パノラミック・ルーフやエアサスを装備した物件がそれぞれ半数近くあるのはうれしいニュースだ。平均走行距離は約2万3000km。平均価格は約453万円だが、総額で約360万円から狙える。走行距離3万km以下の物件も総額400万円台前半で見つけられる。

さらに、日本導入後初となるマイナーチェンジを受けた2024年モデルの登場によって、それ以前のモデルの中古車相場が下落すると予測される。コスパを優先するなら、Iペイスの中古車は要チェックだ。
 

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ジャガー Iペイス(初代・現行型) × 全国

【現行型Iペイスの注目データ】
■ボディサイズ:全長4695mm×全幅1895mm×全高1565mm(2022年モデル)
■交流電力量消費率(WLTCモード):224Wh/km(2022年モデル)
■モーター出力:400ps(2022年モデル)
■モータートルク:696N・m(2022年モデル)
■一充電走行距離(WLTCモード):438km(2022年モデル)
■急速充電(80%):対応(50kWで約85分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:959万~1517.1万円
■中古車の支払総額帯:359.9万~1068.9万円

 

15.BYD ATTO3(初代・現行型)

アット3▲ATTO3は中国の自動車メーカーであるBYDによる電気自動車。初代となる現行型は2023年1月に登場したミドルサイズSUVだ

現行型ATTO3は、個性と実用性を兼ね備えた1台だ。その象徴となるのが「フィットネスジム&ミュージック」をコンセプトとした内装。例えば、ドアノブは円筒状でスピーカーと一体になっており、エアコンの通風口もダンベルをモチーフとしている。ドアポケットにはギターの弦のようなケーブルが張られ、弾けば演奏もできるのもユニークだ。

独特なデザインだが、車としての使い勝手は抜群だ。コックピットのレイアウトは人間工学に基づく、操作性に優れている。走りはガソリン車に近いフィーリングで、運転がしやすい。アクセルとステアリングなどを自動制御する「ナビゲーションパイロット」や、「予測緊急ブレーキシステム」など先進安全装備も充実。航続距離も470kmで、日常使いにおいて不便を感じることはないだろう。
 

アット3▲回転式の大型センターディスプレイやパノラマルーフ、空気清浄機能、31色のアンビエントライトなど快適装備も豊富だ

カーセンサー掲載台数は約50台。平均走行距離は約8500km、平均価格は約360万円だ。走行距離1万km以下でも総額400万円以下で狙える。

2024年3月に仕様変更されているが、以降のモデルは掲載されていない。ただ、この変更ではセンターディスプレイが12.8インチから15.6インチへと大型化されるなど装備類のアップデートだ。実用性においては大きな差はないため、価格を優先して中古車で経済的に購入するのも一つの手だろう。
 

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BYD ATTO3(初代・現行型) × 全国

【現行型ATTO3の注目データ】
■ボディサイズ:全長4455mm×全幅1875mm×全高1615mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):139Wh/km
■モーター出力:204ps/5000~8000rpm
■モータートルク:310N・m/0~4433rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):470km
■急速充電(30→80%):対応(90kWで約30分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:450万円
■中古車の支払総額帯:296.8万~396万円

 

16.ヒョンデ アイオニック5(初代・現行型)

アイオニック5▲2022年5月に日本で発売された現行型アイオニック5。韓国の自動車メーカーであるヒュンデが満を持して送り込んできた電気自動車だ

現行型アイオニック5は「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」ではインポート・カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた実力派。特徴となるのは、レトロフューチャーなルックスだ。前後のライトには、小さなキューブによって構成される「パラメトリックピクセル」というデザインを採用。昔のテレビゲームを想起させ、先進性とアナログさを両立している。

当然、走りも良好だ。3000mmのロングホイールベースによって直進安定性を向上。モーターは力強く、制御も巧みで、スムーズな加減速を味わえる。航続距離も、中間グレードの「ヴォヤージュ」と上級グレードの「ラウンジ」の2WDならWLTCモードで618kmと実用的だ。急速充電やV2Hにも対応し、使い勝手にも優れている。
 

アイオニック5▲12.3インチのデジタルメーターとナビゲーションが横に並ぶインパネは印象的。前席に採用された、フットレスト付きの「リラクゼーションコンフォートシート」もトピックだ

カーセンサー掲載台数は約10台。ベースモデルは掲載されていないが、航続距離の長いヴォヤージュやラウンジは掲載されている。平均走行距離は約1万1000kmで、すべて走行距離2万km以下。平均価格は約433万円だが、総額400万円以下で狙える。
 

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ヒョンデ アイオニック5(初代・現行型) × 全国

【現行型アイオニック5の注目データ】
■ボディサイズ:全長4635mm×全幅×1890mm×全高1645mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):131~142.4Wh/km
■モーター出力:217ps/4400~9000rpm(ヴォヤージュ)
■モータートルク:350N・m/0~4200rpm(ヴォヤージュ)
■一充電走行距離(WLTCモード):498~618km
■急速充電(80%):対応(90kWで約32分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:479万~599万円
■中古車の支払総額帯:379.1万~469.8万円

 

オトクな「生産終了」電気自動車(EV)オススメ5選

購入費用を抑えたいという人は、あえて中古車で電気自動車を狙うのもアリ。いまや中古でしか購入できない生産終了モデルを紹介しよう。
 

 

1.三菱 アイ・ミーブ(軽)(初代)

アイ・ミーブ▲動力性能は軽ガソリンターボ車並! 意外にもパワフルでトルクフル

初代アイ・ミーブはリチウムイオン電池を採用した世界初の量産車だ。2009年7月に法人向け販売を開始、翌年から一般向けにも販売された。長らく軽自動車として販売されたアイ・ミーブだったが、2018年4月の変更で全長が長くなり、小型乗用車に登録区分を変更。コンパクトカーとしてのアイ・ミーブも2021年に生産終了となっている。

オススメしたいの、軽自動車としてアイ・ミーブ。軽自動車の小さなボディに16kWh(Mグレードは10.5kWh)のバッテリーを搭載。160kmという長い航続距離を実現している。ボディの四隅にタイヤを配置したモノフォルムはいかにも未来的なデザインで、今でも古さを感じさせないだろう。
 

アイ・ミーブ▲ヒートポンプエアコンが全車標準装備。オプションで電気温水式ヒーターも装備可能だった

カーセンサー掲載物件は約110台。ボリュームが多いのは2010~2013年式だ。平均走行距離は5万2000km、平均車両価格は約45万円。注意したいのは、初度登録から8年以上・走行16万km以上経過した物件。駆動用バッテリーの容量保証が切れているので、中古車購入の際には交換済みの物件か必ず確認しよう。
 

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三菱 アイ・ミーブ(軽)(初代) × 全国

【初代アイ・ミーブ(軽)の注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475×mm×全高1610mm
■交流電力量消費率(JC08モード):110Wh/km
■モーター出力:47kW(64ps)
■モータートルク:160N・m(16.3kg・m)
■一充電走行距離(10・15モード):160km
■急速充電(80%):対応(50kWで約15分~約30分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:226.2万~398万円
■中古車の支払総額帯:22.8万~144.2万円

 

2.日産 リーフ(初代)

初代リーフ▲ボディはもちろんヘッドライト形状まで空気抵抗を考えてデザインされた

EVが“日常の足”として使える存在であることを世界に知らしめてくれた存在といえば、初代リーフだろう。2010年12月にデビューした当初は、航続距離228kmの24kWh仕様のみ。2015年12月の変更で航続距離280kmの30kWh仕様が追加された。

他車からの流用ではなくプラットフォームから専用開発されたモデルであるため、走りもスムーズ。駆動用バッテリーを床下中心近くに配置したことで、自然なハンドリングを実現。アクセルを踏み込んだ瞬間から254N・mものトルクを発生する動力性能は、まだまだ頼もしいだろう。
 

初代リーフ▲電子制御シフターを採用。クリーンで未来的なイメージに仕上げられた内装

カーセンサー掲載物件は約250台で、平均走行距離は5万9000km。平均価格は約42万円だが、安いものでは総額20万円程度の物件も。しかし、日産の駆動用バッテリー容量保証は30kWh仕様車で8年16万kmまで。24kWh仕様車なら5年10万kmまでとなっている。期限が切れている物件をあえて狙う場合は、駆動用バッテリーの交換費用を見積もっておくべきだ。
 

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日産 リーフ(初代) × 全国

【初代リーフの注目データ】
■ボディサイズ:全長4445mm×全幅1770mm×全高1550mm
■交流電力量消費率(JC08モード):114~117Wh/km
■モーター出力:109ps/3008~10000rpm
■モータートルク:254N・m/0~3008rpm
■一充電走行距離(10・15モード):228~280km
■急速充電(80%まで):対応(約30分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:274万~457万円
■中古車の支払総額帯:15万~162.5万円

 

3.ホンダ Honda e(初代)

Honda e▲2020年10月に登場した初代Honda e。2024年6月現在はまだ販売されているが、2024年1月に惜しまれつつも生産終了がアナウンスされた

初代Honda eは、ホンダが初めて量産した電気自動車だ。コンパクトカーサイズだが、最大トルク315N・mを発揮するモーターを搭載。ポルシェ 911などと同じRRも採用している。モーターをリアに配置して後輪駆動とすることで、最小回転半径4.3mを実現。コンパクトカーでトップクラスとなる小回りだ。

インテリアでは5つのスクリーンを水平につなげた「ワイドビジョンインストルメントパネル」を採用。「サイドカメラミラーシステム」を搭載し、昼夜天候を問わず安心な視界を確保できる。自動駐車・出庫モードを6パターンも備える「Hondaパーキングパイロット」も用意されるなど、安全性能も優れている。
 

Honda e▲水平基調のインパネに木目パネルを採用し、くつろげる雰囲気を演出
Honda e▲充電ポートはフロント部分に

掲載台数は約50台で、上級グレードの「アドバンス」を約半数を占める。平均車両価格は約314万円。生産終了が発表されたためか、2023年3月から70万円ほど平均価格が下落し、オトク感が高まっている。平均走行距離を見ると約9000kmだが、半数近くが5000km以下。条件に合った1台があれば、低走行車が多い今のうちに狙っておきたい。
 

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ホンダ Honda e(初代) × 全国

【初代Honda eの注目データ】
■ボディサイズ:
■交流電力量消費率(WLTCモード):138Wh/km
■モーター出力:154ps/ 3497~10000rpm
■モータートルク:315N・m/0~2000rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):259km
■急速充電(80%):可能(約30分)
■V2H:対応
■新車時の車両価格帯:451万~495万円
■中古車の支払総額帯:339.8万~465.8万円

 

4.BMW i3(初代)

i3▲車体の大部分をカーボンファイバー製として車体重量1260kgを実現

BMW初のコンパクトEVであるi3は、2022年8月に生産終了。全長3999mm×全幅1775mm×全高1578mmというコンパクトな車体に、余裕たっぷりのモーター&駆動用バッテリーを搭載。アクセルペダルだけで加減速可能なワンペダル・ドライビングは、運転感覚でも未来を体感できるものだった。

2014年4月のデビュー当初、バッテリー容量は22kWhだったが、2016年10月の変更で33 kWhに拡大。さらに、2019年2月の変更でも42kWhに拡大され、その分航続距離も延びている。通常のEVに加えて、充電用エンジンを備えた「レンジエクステンダー仕様」が用意されているのもうれしい。
 

i3▲ユーカリやケナフ麻といった天然素材が多用された内装。素材の95%は再利用可能だ

カーセンサーには約70台が掲載。ボリュームが多いのはデビュー翌年の2015年式と、2019年のマイナーチェンジ前後となっている。掲載物件の大半がレンジエクステンダー仕様なのもありがたいだろう。平均走行距離は3万9000kmで、平均価格は約200万円。2023年3月から平均価格が100万円も下落しており、この1年でさらに身近な存在となった。
 

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BMW i3(初代) × 全国

【初代i3の注目データ】
■ボディサイズ:
■交流電力量消費率(WLTCモード):127Wh/km
■モーター出力:170ps/5200rpm
■モータートルク:250N・m/100~4800rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):360km
■急速充電(80%まで):対応(約50分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:499万~674.1万円
■中古車の支払総額帯:86.4万~348万円

 

5.DSオートモビル DS3クロスバックE-TENSE(初代)

DS3クロスバックE-TENSE▲2020年7月から2023年5月まで生産された初代DS3クロスバックE-TENSE

初代DS3クロスバックE-TENSEは、コンパクトSUVである初代DS3クロスバックがベースの電気自動車版。50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターは最大トルク260N・mを発揮する。DS独自のしなかやかな足回りに、モーターにより静粛性と加速力が合わさって、オンリーワンな乗り味となっている。

当初は受注生産の「ソーシック」と「グランシック」の2グレードだった。しかし、2021年7月に登場したスポーティな特別仕様車「E-TENSEパフォーマンスライン」が同年10月に常設モデル入り。ソーシックがなくなり、グランシックが「E-TENSE」と改称された。
 

DS3クロスバックE-TENSE▲ダッシュボードにテップレザーをあしらうなどプレミアム感が演出されている

カーセンサー掲載台数は約10台と少なめ。全グレードが同程度掲載されている。走行距離がどちらも1000km以下なので注目するのも良いだろう。平均走行距離は約4500km。平均価格は約354万円だが、総額300万円前半の物件も見つけることができる。掲載台数はこの1年で減少しているので、購入を検討しているならスピーディに行動したい。
 

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DSオートモビル DS3クロスバックE-TENSE(初代) × 全国

【現行型DS3クロスバックE-TENSEの注目データ】
■ボディサイズ:全長4120mm×全幅1790mm×全高1550mm
■交流電力量消費率(WLTCモード):135Wh/km
■モーター出力:136ps/5500rpm
■モータートルク:260N・m/300~3674rpm
■一充電走行距離(JC08モード):398km(欧州WLTPモード320km)
■急速充電(80%):対応(50kWで約50分)
■V2H:非対応
■新車時の車両価格帯:534万~559.3万円
■中古車の支払総額帯:315万~440万円

 

電気自動車(EV)の人気ランキング

カーセンサーnetにおける、電気自動車の人気車種をランキング形式で紹介する。現行型および生産終了モデルを独自のロジックで集計した。2024年版のTOP5は以下のとおり。自分の車選びの参考にしてほしい。
 

順位 メーカー 車種 世代
1位 日産 リーフ 2代目・現行型
2位 日産 サクラ 初代・現行型
3位 日産 リーフ 初代
4位 三菱 アイ・ミーブ(軽) 初代
5位 ポルシェ タイカン 初代・現行型
順位 メーカー 車種 世代
1位 日産 リーフ 2代目・現行型
2位 日産 サクラ 初代・現行型
3位 日産 リーフ 初代
4位 三菱 アイ・ミーブ(軽) 初代
5位 ポルシェ タイカン 初代・現行型
 

【Q&A】電気自動車(EV)に関するよくある質問

Q.電気自動車を中古で買うときに気を付けるポイントは?
A.きちんと整備されていれば、中古車でも問題はない。ただ、駆動用バッテリーは要チェック! バッテリーが劣化していたら、航続距離も短くなったり、フル充電できなかったりする。充電の手間が増えたり、予期せぬトラブルが起きたりする恐れも。購入前にディーラーや販売店にバッテリーの状態を確認しておこう。

Q.自宅に充電機を設置したい! 費用の目安はいくら?
A.電気自動車の充電機は種類や製品、自宅の状況によって費用が異なる。ただ、東京電力エナジーパートナーによると、充電設備ごとの相場は下記のとおり。参考にしてほしい。
 

種類 特徴 価格
コンセント型 ■設置工事が簡単
■費用が安い
10万円程度
壁掛け型 ■ケーブル一体型で充電が楽
■高出力の機器もある
20万円以上
スタンド型 ■設置位置が比較的自由
■ケーブル一体型も多い
20万円以上
V2H機器 ■充電時間が短くなる
■自宅に給電可能
80万円以上
種類 特徴 価格
コンセント型 ■設置工事が簡単
■費用が安い
10万円程度
壁掛け型 ■ケーブル一体型で充電が楽
■高出力の機器もある
20万円以上
スタンド型 ■設置位置が比較的自由
■ケーブル一体型も多い
20万円以上
V2H機器 ■充電時間が短くなる
■自宅に給電可能
80万円以上

Q.電気自動車の充電にかかる料金はどれくらい?
A.電気自動車を自宅で充電する場合、バッテリー容量や契約する電気会社の料金によって異なるので、一概には言えない。ただ、参考程度に一例を挙げるとすると、現行型リーフのe+では60kWhのバッテリーを搭載。一般的には1kWhあたり20~30円程度なので、フル充電には1200~1800円程度かかる計算となる。

一方で、自宅外で充電する場合は、自動車メーカーなどによる「充電カード(認証カード)」を利用することになる。使うカードによって料金が異なるが、日産が提供する「ZESP3」の場合は下記のとおりだ。
 

プラン プレミアム100 プレミアム200 プレミアム400 シンプル
走行距離の目安 600km以内/月 1350km以内/月 1350km以上/月 ほぼ自宅充電
基本料金 4400円 6600円 1万1000円 1100円
プラン内の普通充電 600分 600分 600分 なし
※従量課金
プラン内の急速充電 100分 200分 600分 同上
プラン外の普通充電 3.3円/分
プラン外の急速充電 44円/分 38.5円/分 33円/分 99円/分
プラン プレミアム100 プレミアム200 プレミアム400 シンプル
走行距離の目安 600km以内/月 1350km以内/月 1350km以上/月 ほぼ自宅充電
基本料金 4400円 6600円 1万1000円 1100円
プラン内の普通充電 600分 600分 600分 なし
※従量課金
プラン内の急速充電 100分 200分 600分 同上
プラン外の普通充電 3.3円/分
プラン外の急速充電 44円/分 38.5円/分 33円/分 99円/分

※記事内の情報は2024年6月27日時点のものです。
 

文/綱島 剛 写真/日産、三菱、スバル、レクサス、テスラ、フィアット、プジョー、DSオートモビル、フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボ、ジャガー、トヨタ、ポルシェ、マツダ、BYD、ホンダ、阿部昌也、尾形和美、篠原晃一
綱島 剛

自動車ライター・編集

綱島 剛

編集プロダクションを経てカーセンサー編集部に所属。「日刊カーセンサー」のデスクを経て、2016年に独立した。現在は某住宅情報誌の副編集を務めながら、ライター・編集として車や住宅、防災など生活に関わる記事を制作。最近ではキャンピングカーに注目し、情報収集に勤しんでいる

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