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思わずノリで買いたくなる、絶滅危惧車のトヨタ セラでバブルの雰囲気を味わおう!
2018/03/07
当時の若者へ向けてトヨタが出した答え
1987年、東京モーターショーでお目見えしたコンセプトカーが「AXV-II」であった。若者の需要を拡大させるために、トヨタ社内で進められていた「ヤング・プロジェクト」(後にY1プロジェクト → Y2プロジェクトと名前を変えていったが)の成果である。
1990年3月、AXV-IIはほぼコンセプトカーの姿のまま、セラとして市販化された。
あまりに自由な発想で作られた車で、さほど売れないことは分かっていただろうに、企業メセナとして取り組んだことに感動すら覚える。
失礼を承知で推測すれば、バブル期の浮かれた雰囲気も伝わってくるような気すらする。
当時から国内トップシェアを誇っていたトヨタだが、若者へのアピールが足りないことを自認し、それを打壊するためのプロジェクトからセラは生まれた。
ボディの上半身は、ほぼすべてがガラスで占めるというユニークなスタイル。飛行機の“キャノピー”のような雰囲気で、トヨタは「グラッシーキャビン」と呼んでいた。
あのマクラーレンも惚れた!?
極めつけは、一部の高級スーパーカーでしか採用されたことがなかった跳ね上げ式のドアを備えていたことだ。正式にはバタフライウイングという呼び名だが、総称としてガルウイングというくくりでいいだろう。
ちなみに、後にも先にも国産車でガルウイングを採用したのはセラとマツダ AZ-1(一部OEMでスズキにも供給)しかない。
余談だが、あのマクラーレン F1にガルウイングが採用されたのは、開発者であったゴードン・マレーが隣人の所有するトヨタ セラのドアを開けた姿に惚れたからという逸話が残っている。
一般的にガルウイングに採用されるダンパーは温度によって硬さが左右されやすいのだが、セラは四季を通じて同じような動きをするよう工夫が凝らされている。
セラのベースとなっていたのは、当時のスターレットである。決して高額なわけではなく、高性能なわけでもなく、あくまでも雰囲気を楽しむ車である。
そのノリが今となっては、とてもバブリー……。
インテリアは今見ても「ポップ」の一言に尽きる。やはりバブルの香りがプンプン漂う。
世間の注目を集め話題の車になったとはいえ、1990年から4年という短期間の販売に終わってしまった。
デビュー当初はバカ売れし年を追うごとに激減していった、熱しやすく冷めやすい……これまたバブルを感じさせる。
1990年には1万台近く売れたものが、1993年は600台弱だ。
「ガルウィング」&「バブルを感じさせる」という点に魅力を見出すことができれば、ノリで購入しても良い車だと言えるだろう。
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▼検索条件
トヨタ セラ(初代)photo/トヨタ自動車、McLaren Automotive
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