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スズキ アルトワークスは力強いトルクとショートストロークシフトで、最高に走りが楽しめる1台だ
2016/03/18
走る楽しさを追求したアルトワークス
8代目となったスズキ アルトが、軽量かつ高剛性のボディを携えて登場したことは記憶に新しい。デザインもボーイズらしいキリッとしたプロポーションになった。その3ヵ月後にはターボエンジンを搭載したターボRSを追加。ターボRSはマニュアルトランスミッションをベースに作られた2ペダルのAMTのみの設定であったが、ポテンシャルの高さ故にさらに自由に操ることが可能なMTの要望があるのは当たり前であった。そこで段階を踏んで登場したのがアルトワークスだ。
力強い加速や安定感が際立つ
試乗会はワインディングと高速の両方が試せる御殿場である。まずは高速での試乗だ。ワークスは、わずか670Kgの軽量のボディに、リッターカーをしのぐトルクを発生するターボとMTが組み合わされている。発進は極めてスムーズで、神経質な部分は皆無だ。しかしそれよりも素晴らしいのは、剛性感の高いショートストロークシフトだ。腕を腰のあたりのいいポジションにつけたまま小気味よくシフト操作ができる。これだけでもやる気にさせる。
一般道でエンジンとサスペンションの特性をつかんだ後、高速道路へ入る。ETCゲートをくぐり加速する際も、エンジンの嫌な振動はない。素晴らしくスムーズでフラットなトルクだ。しかも速い。軽量なボディはコーナリングに吸い付くようにして走り、スピードはさらに上がる。サスペンションも良好で、バネとダンパーのセットはこのままサーキットに持ち込みたくなるほどだ。しかも硬めのサスペンションにも関わらず、乗り心地は拍子抜けするほど心地良い。レカロシートの恩恵も大きいだろう。本線への合流は、加速スピードが速いため非常に楽だ。時速100kmの風切り音も気にならない。ワインディングが楽しみになる。
舞台を高速から箱根に移す。上り坂でも全く苦はない。試乗した車は前輪駆動だったが、リアに荷重がかかっても前輪は浮き上がることなくしっかりと路面をとらえ、駆動力は万全だ。コーナリングではハンドリングに忠実に、まるでレールの上を走るかのようにタイトな箱根の道をスムーズに上っていく。これはタイヤのリム幅を拡大した恩恵もある。コーナー途中の起伏でもボディはみしりとも言わず、さすがの安定感である。タイトなコーナーが続くワインディングロードでは、軽量で高剛性のボディに向かうところ敵なしだ。間違いなく箱根スペシャルと言っていいだろう。
高価なスポーツカーをしのぐパフォーマンスをもつワークスだが、価格はエントリーモデルで150万円台である。コストパフォーマンスの面から考えても、満足のいく1台だろう。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:― ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直列3気筒DOHCターボ ■総排気量:658cc
■最高出力:47(64)/6000[ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:100(10.2)/3000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:5MT
■全長x全幅x全高:3395x1475x1500(mm) ■ホイールベース:2460mm
■車両重量:670kg
■車両本体価格:150.984万円(税込)
【関連リンク】
photo/篠原晃一、奥隅圭之
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