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ホンダ N-VAN+スタイル 「おしゃれな丸目ヘッドライトやターボが欲しいなら+STYLEを」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- まるも 亜希子(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
5
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 5
- 燃費
- 4
- 価格
- 4
おしゃれな丸目ヘッドライトやターボが欲しいなら+STYLEを
2023.6.19
- 年式
- 2018年7月〜モデル
- 総評
- 何十年もの間、どのメーカーも軽バンを大きく変えようとはしてこなかった中、「妥協しないニッポンのプロを支える、軽バン新基準をつくる」というチャレンジを見事にやってのけたホンダが作り出した、なんともフレンドリーでアイデア満載のN-VAN。商用としてだけではない、人生の相棒としての可能性も感じさせる1台になっていると感じます。S660用をベースとした6速MTは運転が楽しく、クルマ好きにもおすすめできる希少な軽バンです。
- 満足している点
- インパネやドアの収納スペースは、オープンポケットタイプが多くてなんでもホイホイと収納できます。ドリンクホルダーも豊富で、500mLの紙パック飲料が置けるほか、小物入れとしても使えそう。軽バンでは、移動の合間に報告書を書いたり、次の訪問先をチェックしたりと、事務仕事をする場所になることもあれば、昼食や休憩などゆっくり過ごす時間もあったりと、さまざまなモノが持ち込まれますが、ドアにコンビニ袋用のフックがあったり、オプションで用意されるテーブルが保持できるスリットがあったりと、ライバルの比ではないアイデアと使い勝手のよさを感じました。
- 不満な点
- 商用車なので当たり前ではありますが、運転席とそのほかの席では、王様と家来ほどに格差があるシート。乗用車と同等のシート骨格を採用した運転席は、腰から脇あたりを支えるボルスターがあり、とてもラク。座面はほぼフラットで、頻繁に乗り降りする際にも腰の運びがスムーズです。でも後席は明らかにクッションが薄く固めで、背もたれも低く落ち着かない座り心地。走行中は終始ゴツゴツとした突き上げがきて、オシリが跳ねます。近場なら我慢できますが、長距離の移動はちょっとカンベンかなというところでした。
- デザイン
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5
- 丸目のヘッドライトが愛嬌のある+STYLEのデザインと比べると、四角いヘッドライトでシンプルな道具感が強くなるのがベーシックなN-VANのデザイン。ボディカラーもホワイトとシルバーになってしまうので、やや味気ないと感じるかもしれません。ただ、共通しているのは相棒として親しみが持てる雰囲気や、安心感を覚えるデザインだというところ。全高が1940mm(4WDは1960mm)もあるのに、重心が低めに見えるのも巧妙なデザインのおかげでしょう。
- 走行性能
-
4
- ターボモデルが用意される+STYLEと比べると、自然吸気モデルはのんびりとしたところもあるのですが、発進加速はスムーズで、そこから先も予想したよりはずっと余裕があり、しかも一定の感覚で加速してくれるので扱いやすさがあります。適度に手応えのあるステアリングフィールも好印象で、細い林道をクネクネと走ると案外ロールも小さめで、そのうちに楽しさを感じてくるほどでした。6速MTはS660用ベースとはいえ、クイクイとシフトが決まるようなスポーティさはまるでないのですが、センターパネルの下の方に設置されるシフトレバーは、昔のシビックTYPE Rを思い出します。のんびりとはいえ、自分の意志でシフトを操る楽しさは十分に感じられます。
- 乗り心地
-
4
- N-VANのタイヤは全車12インチで、試乗車はライトトラック用タイヤを装着していましたが、運転席の乗り心地は決して悪くなく、背が高い割にはコーナリングでの姿勢変化も抑えられています。これは、重量物の積載を想定してトーションビームの板厚をアップしているほか、プログレスタイプのスプリングに変更した足回りが効いているのでしょう。荷物の重量によって、軽い時にはソフトな乗り味を見せ、重い時には車高が沈まないように硬くなり、シッカリ粘るという特性を持つスプリングなので、シーンに応じて最適な乗り心地が得られるということ。ただ、荷室がカラの状態では後席が跳ねるのが気になりました。
- 積載性
-
5
- 運転席以外はすべて薄く小型のシートを採用しており、簡単にきれいにフラットになります。助手席と後席の隙間を埋めるブリッジボードや、運転席に小物などが侵入するのを防ぐ板が装備されたり、荷物によるキズがつきにくいトリム形状を採用するなど、広いだけでなく細やかな配慮も感じられます。ホンダ得意の低床技術でフロア地上高が525mmと低く、スズキ「エブリイ」の 650mmと比べても低さは一目瞭然。また、助手席側のピラーをスライドドア埋め込み式とすることで、ガバッと広大な開口部を実現しており、サイドからの荷物の積み下ろしもスムーズです。縦にしか駐車できず、後ろが壁でテールゲートから荷物が積めない、というシーンでも便利。また、荷物の出し入れだけでなく、テーブルを置いて看板を出せば、大きな改造をしなくても移動式店舗として使えそうなところは、 ユーザーの発想やアイデアを刺激してくれそうです。
- 燃費
-
4
- パワートレーンは、N-BOXで新開発されたエンジンを商用ユースに最適化したもので、VTECの採用はなし。CVTはホンダ初の商用向けで、N-BOXのものから強度や耐久性を高め、駆動力も最適化しているとのこと。アイドリングストップは6速MTを含めて全車に搭載され、燃費は最高でFFモデルが19.8km/L(WLTCモード)で、ライバルを凌ぎます。ただ荷物を満載にするならば、ターボモデルの方が実用燃費には有利かもしれません。
- 価格
-
4
- ライバルが99台から揃えるところを、N-VANは120台スタートなので、見た目の価格はどうしても高く感じると思います。でも99台は安全装備をはじめパワーウインドウさえつかない、本当にベーシックな内容です。N-VANはHonda SENSINGが全車に標準装備となり、フルオートエアコンやパワーウインドウ、プライバシーガラスといった必要最低限の装備はついているので、それほどコスパが悪いわけではないでしょう。
- まるも 亜希子
- 自動車ジャーナリスト
- 映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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- 新車価格(税込)
-
170.7 〜 195.9
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- 中古車本体価格
-
44.9 〜 289.0
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