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ホンダ 新型WR-Vの内装を紹介! 荷室や後部座席の広さ、使い勝手など詳しく解説
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部
街乗りにもアウトドアにも最適なホンダ 新型WR-Vは、2024年3月に発売されたばかりのコンパクトSUVです。
コンパクトなボディながら、広々とした室内空間と使い勝手のよさ、座り心地のよいシートなど、新型WR-Vの内装は魅力満載です。
本記事では、新型WR-Vの内装をレビュー。シートや荷室の広さ、使い勝手、質感など、内装に関する様々なポイントをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説します。
新型WR-Vとはどんなクルマ?
新型WR-Vは2023年12月に発表されたコンパクトSUVで、発売は2024年3月に開始されました。
全長は4400mm以下とコンパクトなボディサイズ
新型WR-Vのボディサイズは全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mm。全長を4400mm以下に抑えたコンパクトなSUVです。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|
4325mm | 1790mm | 1650mm | 2650mm |
コンパクトで運転しやすく、ファミリーカーとしても使いやすいです。
ちなみにボディの大きさは、同じホンダのコンパクトSUVであるヴェゼルとも同程度です。ただし、新型WR-Vの全高はヴェゼルよりも60~70mm高いです。
グレードは全3種類でノーマルエンジンの2WDのみ
新型WR-Vのグレードは全3種類。
専用エクステリアを備えた最上級の「Z+」、ハイグレードタイプの「Z」、スタンダードタイプの「X」です。
Z+とZの内装は共通で、革張りなどを使用した上級仕様。XはZ+とZよりもシンプルな内装です。
新型WR-Vのエンジンは、直列4気筒で排気量1.5Lのノーマルタイプのみです。駆動方式も前輪駆動の2WDだけで4WDはありません。
価格は209万8800からと安価
グレード | Z+ | Z | X |
---|---|---|---|
価格 | 248万9300 | 234万9600 | 209万8800 |
グレード展開、価格は2024年5月時点のものです
新型WR-Vの価格は209万8800~248万9300です(2024年5月時点)。
最も安価なグレードのXは、各種の安全装備などを標準装備しながら209万8800に抑えられています。
最上級グレードのZ+でも248万9300ですから、ヴェゼルのガソリン仕様が264万8800に達するのに比べて割安です。
ちなみに、ヴェゼルの大半のグレードが、パワートレインにハイブリッドのe:HEVを搭載し、e:HEV仕様の価格も288万8600~377万6300と高めです。
新型WR-Vの内装の特徴
新型WR-Vの内装は実用性を重視してデザインされています。インパネは水平基調で視認性が優れ、ATレバーや各種のスイッチもシンプルで扱いやすいです。
そしてコンパクトSUVとしては、居住空間や荷室に余裕があります。大人4名で乗車して、長距離を快適に移動できますし、荷室も広くて使いやすいです。
最上級グレードのZ+でも価格は250以下に抑えられているため、内装に豪華な印象はありません。それでもシルバーの装飾などが装着され、質感の点でも満足できるでしょう。
新型WR-Vの注目装備
新型WR-Vで注目の装備は以下の5点です。全グレードで共通です。
新型WR-Vの注目装備
Honda SENSING(ホンダセンシング)
Honda SENSING (ホンダセンシング)は、ホンダの安全運転支援機能です。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)や車間距離を自動制御するアダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線逸脱を回避するように運転を支援し警告してくれる路外逸脱抑制機能などで運転をサポートしてくれます。
7インチ デジタルグラフィックメーター
燃費などを含めて、各種の情報がメーターパネルに分かりやすく表示されます。
フルオートエアコン
新型WR-Vには、最も価格の安いXを含めて、室温を一定に保つフルオートエアコンが装着されています。
エアコンの吹き出し口は、リアシート(後部座席)の足元にも装着されています。
パドルシフト
新型WR-Vのトランスミッションは無段変速ATのCVTですが、ステアリングホイールにはパドルシフトが備わります。
パドルの操作で、疑似的な変速を行えます。山道などでエンジンブレーキを利用したいときなどに使い勝手がよいです。
ナビ装着用スペシャルパッケージ
新型WR-Vには「ナビ装着用スペシャルパッケージ」が標準装備されています。これによりリアワイドカメラやナビ・オーディオリモートコントロールスイッチ、通信機能などが装着されています。
ディーラーオプションのカーナビやディスプレイオーディオを装着すると、交差点案内表示機能の「Turn by Turn表示」や、駐車時に軌道ガイドラインが表示される「ダイナミックガイドライン」が表示されるなど、さまざまな機能が得られます。
新型WR-Vのインパネ(計器盤)周辺
視認性
新型WR-Vのメーターはハンドルの奥側に配置され、オーソドックスですが馴染みやすくてさまざまな体格のドライバーにとって見やすいです。
平均/瞬間燃費などを表示できるマルチインフォメーションディスプレイも装着されています。
操作性
新型WR-Vのセレクトレバーは、前後にスライドさせるタイプで扱いやすいです。エアコンのスイッチも、高い位置に装着されて触りやすく、直感的に操作できます。
サイドブレーキは、電動式が最近は増えていますが、新型WR-Vはレバー式です。
新型WR-Vの操作性に不満はないですが、サイドブレーキが電動式でないことで、車間距離を自動制御できるアダプティブクルーズコントロールの機能が制約を受けます。
電動式ではないことで、追従走行中に停車した後、サイドブレーキを自動的に作動させ、長時間にわたり停車することができません。
そのために新型WR-Vのアダプティブクルーズコントロールは全車速追従型ではありません。時速25kmを下まわると自動的にキャンセルされます。使う時には注意しましょう。
質感
新型WR-Vは価格が安く抑えられているため、高級感はありません。ソフトパッドの使用はドアの内側などに限られて、インパネの周辺は樹脂が目立ちます。
それでもインパネの形状は立体的で、シルバーの装飾も採用され、安っぽい印象は受けません。コストを低減させながら、巧みにデザインされています。
Z+とZは、ハンドルとセレクトレバーが本革巻きです。ベーシックなXはウレタンが使用されています。
Z+とZでは、フロントドアの内張りなどにソフトパッドが装着され、リアシートにはセンターアームレストも備わり、質感だけなく快適性も高くなっています。
新型WR-Vのフロントシート(運転席・助手席)
広さ
新型WR-Vの全高が1650mmですから、ヴェゼルの売れ筋グレード「e:HEV Z」の1590mmに比べて60mmほど高いです。
そのため頭上と足元に十分な空間があります。コンパクトSUVでも、ミドルサイズと同等の開放感を味わえます。
座り心地
新型WR-Vのフロントシートのサイズは余裕があり、座り心地も適度にしなやかです。腰の近辺をしっかりと支えて着座姿勢が乱れにくく、長距離の移動にも適します。
またXグレードのシート生地はシンプルなファブリックですが、プライムスムース(合皮)を使った上級グレードのZ+やZよりも、座り心地は柔軟に感じます。
見栄えの良さならZ+やZですが、座り心地は逆で、Xの方が腰を包む感覚も伴って快適です。
新型WR-Vのリアシート(後部座席)の広さと座り心地
広さ
新型WR-Vのリアシート(後部座席)もファミリーカーとして使いやすい十分な広さがあります。
身長170cmの大人4名が乗車した時、リアシートの頭上には握りコブシ1つ弱、膝先には握りコブシ2つ半の余裕があります。
ボディサイズはコンパクトですが、リアシートの広さは上級のミドルサイズSUVのトヨタ ハリアーなどに匹敵します。
座り心地
新型WR-Vのプラットフォームは、基本部分はヴェゼルと共通ですが、燃料タンクは前席の下ではなく後部に搭載しています。
そのため、ヴェゼルに比べると新型WR-Vのシートアレンジはシンプルです。ヴェゼルのリアシートはスライドできる一方で、新型WR-Vは座面が固定されるため、リアシートの座面にはボリューム感が伴って、座り心地も快適です。
新型WR-Vの荷室の広さと使い勝手
広さ
新型WR-Vのリアシートの足元空間は十分な広さがありますが、その代わりにシートの取り付け位置は後方です。
そのために荷室長は特に長くありませんが、ボディサイズの割に荷室は広いです。
リアシートに人が乗車した状態で、458Lの荷室容量を確保しており、実用性も十分です。
参考までに、同条件でのトヨタ ヤリスクロスの荷室容量は390L、ハリアーの荷室容量は408~409L、ヴェゼルの荷室は404L、日産 キックス(2WD)の荷室容量は423Lです。
荷室の収納性
新型WR-Vは全高が1600mmを上まわり、リアゲートの開口部は広いため、荷室収納性は優れています。
ただし、後席の背もたれを前側に倒して荷室を広げた場合、背もたれと荷室の床に段差ができます。ヴェゼルと違ってフルフラットにはなりません。
新型WR-Vの内装まとめ
内装の特徴
新型WR-Vは、コンパクトなSUVでありながら車内が広く、そこが大切なセールスポイントになっています。大人4名が快適に乗車できて、荷物も十分に積載できます。
内装のデザインはシンプルですが、質感に不満はありません。視認性や操作性が優れ、コストを上げずに、実用性が重視されています。
実用性が高い代わりに内装は少し地味でプレミアム的な雰囲気は感じませんが、各部はしっかりと造り込まれています。新型WR-Vは飽きずに長く乗れるクルマでしょう。
ライバル車との違い
新型WR-Vの全長は4325mmと短く、最小回転半径も5.2mに収まるため、街中でも運転しやすいです。
ライバル車との内装の違いは、リアシートや荷室の広さです。車内は広く、リアシートの座り心地も快適なので、4名乗車にも適します。
運転しやすい小さなボディと、広くて快適な室内空間の両立は、ヤリスクロスをはじめとする新型WR-Vのライバル車に対するメリットです。
WR-Vを選ぶ際の注意点
アダブティブクルーズコントロールは全車速追従型ではない
前述のとおり、新型WR-Vではアダブティブクルーズコントロールは全車速追従型ではありません。作動中に速度が時速25kmを下まわると、自動的に解除されます。
ベーシックグレードのXのほうがシートの座り心地はよい
新型WR-Vのシート生地は、ベーシックなXはシンプルなファブリックで、中級のZと最上級のZ+には、プライムスムースとファブリックのコンビタイプが使われています。
見栄えや肌触りはZやZ+が上質ですが、座り心地が柔軟で快適なのはXのファブリックです。上級グレードのシート生地が必ずしも快適とは限らないから注意しましょう。
推奨ユーザー
前述の通り、新型WR-Vは後席を含めて車内が広く居住性も快適で、荷室も大容量で使いやすいです。
買い物など街中の移動に使う一方で、4名乗車で出かける機会の多い、実用性重視のファミリーユーザーにピッタリでしょう。
ベストグレード
機能と価格のバランスを考えると、新型WR-VのグレードではX(209万8800)が最も買い得です。
新型WR-Vは価格の安さを特徴とするため、Xの価格は210以下に抑えられており、買い得度も高いです。
そして前述の通りXはZやZ+に比べてシートの座り心地が快適です。
またXはZに比べると、アルミホイールなど18相当の装備が省かれますが、価格は25万800も安く抑えられています。
タイヤサイズも異なり、Xは16インチ、ZとZ+は17インチを装着します。そのためにXは、ステアリング操作に対する反応が少し穏やかな代わりに、乗り心地も柔軟です。
このように新型WR-VのスタンダードグレードであるXは、座り心地、乗り心地、価格の割安度の3点から判断して、ベストグレードになります。しかし内装の装備を充実させたいなら、Z(234万9600)を選びましょう。
[筆者:渡辺陽一郎/撮影:茂呂 幸正/MOTA編集部]
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1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る
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