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軽自動車の技術を取り入れた「トヨタ パッソ」の実燃費を測ってみた【燃費レポート】(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
フルモデルチェンジを受け、販売好調な新型パッソ
「トヨタ パッソ」と「ダイハツ ブーン」は、ダイハツが長年生産していたシャレード、その後継車となるダイハツ ストーリアとトヨタ デュエットの流れを引き継ぐコンパクトカーである。
2016年4月、約6年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となった新型「パッソ&ブーン」。
2代目までのパッソ&ブーンは、商品企画やマーケティングをトヨタが担当し、開発や生産をダイハツが担当するという、トヨタグループで言えば「トヨタ 86」と「スバル BRZ」の関係に近い共同開発で産まれたモデルであったが、新型は共同開発ではなく、商品企画、開発、生産のすべてをダイハツが行っており、トヨタで販売されるパッソはいわゆるダイハツの「OEM車」である。
なお、新型パッソは4月の発売から約1ヶ月で月間販売目標の5,000台の3倍以上となる約1万6,500台の受注を集めるという、好調な販売を記録している。
プラットフォーム見直しでさらなる軽量化が施されている
新型パッソ&ブーンでは、ダイハツが軽乗用車で蓄積してきた低燃費技術イーステクノロジーや広い室内を確保するノウハウ、コスト低減といった軽乗用車の技術をコンパクトカーへと盛り込んだことが特徴になっている。
技術的には、まず車の土台となるプラットフォームが先代モデルから大幅に改良を施された。パッソ&ブーンは先代モデルも初代のプラットフォームの改良版であったため、初代から同じプラットフォームを使い続けていることになるが、新型ではさらにボディそのものも見直し、フロントフェンダーやバックドアといった外板パーツ、燃料タンクの樹脂化などによって衝突安全性を強化しながらも先代と同じ重量となる910kgをキープしている点が大きな特徴だ。
エンジンは初代から使い続けている1リッター3気筒モデルのみの設定で、先代で存在していた1.3リッター4気筒モデルは廃止となった。1リッター3気筒エンジン(最高出力69馬力、最大トルク9.4kgm)は現行モデルで燃料を吹くインジェクター、空気が通る吸気ポートのデュアル化、12.5という圧縮比の向上、2014年に行われた先代のマイナーチェンジ後と同様に9km/hからエンジンを停止するアイドリングストップの採用、空気抵抗の低減などによりカタログに載るJC08モード燃費はモーターを一切使わないガソリンエンジン搭載車としてはトップとなる28.0km/L(※FF車)を実現。トランスミッションは全グレードがCVTと組み合わされている。
さらに、近年関心が急速に高まっている自立自動ブレーキも、ムーヴ、タント、ウェイクといったダイハツの軽乗用車と同じく、対車両の緊急ブレーキ機能や車両と歩行者の衝突警報機能、車線逸脱警報機能などを持つ「スマートアシストII」が幅広いグレードに標準装備される。
ちなみに、国が行う自立自動ブレーキのテストでスマートアシストIIの成績を確認すると、対車両を想定したテストで30km/hからも停止できず、パッソ&ブーンも大きな期待は持てないのは残念なところであるが・・・。
グレード体系は、パッソ&ブーンともに標準モデルに加えてパッソではモーダ、ブーンではシルクの名前で軽自動車のカスタム系グレードのような内外装を持つモデルも設定される。
今回の燃費テストでは、「トヨタ パッソ」の標準モデルの最上級グレードとなる「X“Gパッケージ”(FF)」を起用(144万7,200、JC08モード燃費28.0km/L)。
テストは6月14日(火)の朝6時に開始し、午後1時半頃に帰京するというスケジュールで実施。
天候は梅雨の晴れ間の晴れのち曇り、テスト中の最高気温は25度程度だった上、湿度も高めでエアコンによる負担はそれなりに大きかった。交通状況は平均的な流れであった。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る
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