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SHAREQ2やUXよりも魅力的!? 「レクサスLBX」の予想価格と唯一の死角とは?
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ自動車 181
サイズはBセグメントで走りや質感はそれ以上
レクサスは6月5日、新型コンパクトSUV「LBX」をミラノでワールドプレミアした。コンパクトSUVが世界的に人気を集めるなか、レクサスは「LBX」をどんなクルマに仕上げたのか。今年中の日本導入が予定されているLBXの特徴を網羅しつつ、ライバルとの比較を通じて、その魅力を探ってみたい。
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まず、LBXが他のSUVとは異なる点だが、それはズバリ、“サイズにとらわれない高級車”が追求されている点だ。世界的に見ると、自動車の車格はおおよそスモールクラス(A~Bセグメント)、コンパクト-ミディアムクラス(Cセグメント)、アッパーミドルクラス(Dセグメント)、そしてラージセグメント(Eセグメント、フルサイズ)という具合に分けられる。
トヨタ版の「ヤリスクロス」をベースにしているLBXは車格的にはBセグメントに属するが、走りや質感においては、Cセグメント以上のプレミアム感が追求されたクルマだ。
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トヨタが得意な“小さな高級車”
過去にもトヨタは、いわゆる“小さな高級車”、あるいはクラスレスなクルマをいくつか送り出してきた。代表作として「プログレ(1998年~)」、「ブレビス(2001年~)」、「レクサスCT(2011年~)」などが挙げられる。「iQ(2008年~)」も含めていいかもしれない。
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コンパクトカーから高級車までを手掛けるフルラインアップメーカーのトヨタが、コンパクトなボディに高級車作りのノウハウを詰め込んだのがLBX。それはブランドホルダーの豊田氏のコメント「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質であるサイズのヒエラルキーを超えたクルマを作りたい」という想いにも見て取れる。
その点を理解したうえでボディサイズを見ると、全長4190×全幅1825×全高1560mmという寸法は、レクサス最小のSUVである「UX」(同4495×1840×1540mm)を全高以外は下回っており、サイズ的にはレクサス最小のコンパクトSUVとなる。ちなみに最小回転半径は5.2mで、UXと同じだ。
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ドライビング性能へのこだわり
プラットフォームはヤリスクロスなどが使うトヨタのTNGAシリーズのコンパクトカー向けアーキテクチャー「GA-B」を改良したもの。レクサスブランドにふさわしく各部の剛性を高めた専用チューンが施され、意のままに操れるリニアな応答性や、振動の発生を根元から低減する基本構造が追求されている。
その上で、ドライビングポジションにもこだわり、ドライバーの着座位置を低めに設定している。もちろんシート調整により着座位置を高めに設定することはできるだろうが、基本的には見晴らしの良さを追求したSUVではなく、走りの良さに重きが置かれたSUVであることは理解した上で選びたい。
好みに合わせて選べる5タイプのグレード体系
インテリアは、最新モデルらしく、デジタル化が進んだモダンな雰囲気に仕上げられている。12.3インチのフル液晶メーターをはじめ、センターに備わるタッチパネル式の9.8インチインフォテインメントディスプレイ、そして64色から選べるイルミネーションなど、プレミアムカーに期待される装備と質感は備えているといえそうだ。
LBXのもうひとつの特徴が、カスタマイズの豊富さ。ニーズの多様化に合わせ、グレード体系に、ライフスタイルや好みに合わせて選べる5タイプを用意している。その5つとは、シンプルで洗練されたプレミアムカジュアルを体現した「COOL」、車格を超えたハイラグジュアリーを追求した「RELAX」、クリーンでモダンなインテリアを表現した「ELEGANT」、スポーティさと上品さを両立させた「ACTIVE」、都会的なスタイリッシュさを求めた「URBAN」という具合。
ハイクラス並のカスタマイズプログラム「ビスポーク・ビルド」
さらにLBXでは、ユーザーが一からカスタマイズを楽しめるオーダーメイドシステム「Bespoke Build(ビスポーク・ビルド)」というプログラムも用意される。ビスポーク・ビルドでは、シート表皮の色、シートベルト、ステッチの色、配色構成、トリム部への加飾の追加など、よりきめ細かに仕様を選択でき、約33万通りの豊富なバリエーションとなっている。コンパクトクラスでここまでカスタマイズの幅が広いクルマは世界中を見渡しても見当たらないのではないだろうか。
ライバルの筆頭はアウディQ2
こうした唯一無二の個性が追求されたLBXだが、同様の車格からライバルを探すなら、プレミアムコンパクトSUVの「アウディQ2」が挙げられるだろう。Q2の主要グレードのボディサイズは、全長4200×全幅1795×全高1530mmで、LBX(全長4190×全幅1825×全高1560mm)よりわずかに長いが、全幅と全高は逆にLBXを下回る。最小回転半径はLBXの5.2mに対しQ2は5.1mとわずかにLBXが大きい。
なお、実用上一番大きな違いは、LBXは大半の立体駐車場の全高上限値である1,550mmを超えてしまっているのに対し、Q2はそれを下回っている点。レクサスのコンパクトSUVでは、「UX」(全高1540mm)は立体駐車場への入庫に対応しているが、LBXはわずか10mmながらオーバーしており、ここは立体駐車場の利用ユーザーにとっては残念なところだ。
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パワートレーンのスペックはまだ謎
ボディサイズ以外ではLBXが1.5L直3+モーターのハイブリッド(HV)のみ、Q2は1.5L直4ガソリンターボ(150ps/250Nm)または2.0L直4ディーゼルターボ(150ps/340Nm)と、パワートレーンが大きく異なっている。
なお、LBXのパワートレーンは現状ではスペックは発表されていない。ちなみに先日欧州でデビューした同じエンジン排気量の改良型ヤリスHV(高出力版)は、最高出力130ps/最大トルク185Nmとなっている。ただ、このスペックだとレクサスUX(250h)のシステム出力である184psとの差が大きく、このクルマが追求する走りの楽しさというコンセプトを考えても、もう少しスペックアップしてくる可能性が考えられる。ここはメーカーの発表を楽しみに待ちたいところだ。
スタート価格は300代後半か
最後に車両価格について、LBXがどのぐらいの設定となるのか大いに注目されるところだ。ちなみに、Q2の価格帯は417~460。LBXの価格を予想するにあたり参考となるのは、他のレクサスモデルとトヨタのベースモデルの価格比だ。
例えば、「C-HR」のHVエントリーグレード「S」は275万5000で、UXのHVエントリーグレード「UX250h」は435万9000と約1.58倍の差がある。これをそのままヤリスクロスHVのエントリーグレード「X」(228万4000)にあてはめるとLBXは約361となる。
ただ、前述の通り、LBXはクラスレスな価値が追求されたクルマである。加えて、昨今の資源価格高騰等もあり、スタート価格は380~400程度が妥当な線ではないだろうか。もちろんカスタマイズをすれば、そのぶんは上乗せとなる。
まだ不明な点はあるものの、デザインや内容を見る限り、かなり魅力の多いレクサスLBX。早くも大ヒットとなる予感だ。2023年秋以降に予定される国内発売が待ち遠しい。
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