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E63AMGに早くも試乗 サーキットから走り報告
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
E63AMGに早くも試乗 サーキットから走り報告
■ダウンサイジングの時代へ
5、6年前までは環境問題を語ることで精一杯で、500ps以上のクルマといったらエキゾチック・スポーツカー以外、試乗どころかお目にかかれるチャンスも滅多になかった。しかし最近ではダウンサイジングを過給(ターボやスーパーチャージャー)によって補う事ができるようになり、徐々にハイパーパワーが復活してきた。
■排気量ダウンでもトルク増大
その代表が今回、南仏のル・カステレ・サーキットとその周辺で試乗した「メルセデス・ベンツE63AMG」である。同じ名前を冠した旧モデルは自然吸気の6.2リッターV8エンジンを搭載、525psを豪語していたが、新しいE63AMGは5.5リッターと軽自動車1台分以上の排気量をダイエットしたにも関わらず、ターボ過給によって同じ馬力を発生し、トルクは630Nmから700Nmへと10%以上も増大している。
ちなみにベースとなったエンジンは現在S500やCL500に搭載されている自然吸気のV8である。このようにドイツ・メーカーはいろいろなサイズのエンジンを持っているので、様々な条件に合わせての使い回しを可能にする。
■燃費効率も向上
カタログに示された性能は0-100km/h が4.3秒、最高速度は250km/hに達する。
またアイドリング・ストップや新たに設けられたドライブ・プログラムの「Cボタン」はコントロール・エフィシエンシーで、スロットルを緩慢に、そしてランスミッションのシフトアップタイミングを早めるなど数々の燃費対策により、セダンで欧州複合モード燃費が9.8リッター/100km(10.2km/L)を達成している。
■小型セダンのように振り回せる
最大トルクは1750rpmの低回転域から発生するので、僅かにスロットルを踏み込むだけで重量1840kgの4ドアセダンは重さを感じさせずに軽やかに加速する。公道へ出る直前のトンネルで、ちょっと子供ぽかったが一瞬エンジンの回転を上げると、やや低く、しかも金属的なサウンドが周囲を包み込んだ。
サーキット周辺の道は狭くて思うように速度を上げることは出来なかったが、それでもこの性能に合わせてチューニングされた電動パワステのおかげで小型セダンのように振り回すことができた。
■日本には早ければ年内に…
続いてE63AMGを思う存分テストできる、サーキット走行の順番が回ってきた。絵のように美しいコースの一部を使ってのスポーツ走行である。フル加速、フルブレーキ、ハイスピードコーナリングとスポーティ・パフォーマンスを存分に楽しむことができた。
ただし、本気でサーキットのスポーツ走行を頻繁に行うエンスージアストの方々にはブレーキを強化することをお勧めしておこう。私のようなノロノロ運転ではそれほどでは無かったが、後でデイビッド・クルサード氏の隣で彼のドライブを観察していたら、だいぶブレーキをいたわっているようだった…。もっとも元F1ドライバーのスピードだから例外中の例外かもしれない。
注目の価格はセダンが10万5791ユーロ(約1190)、エステートは10万8409ユーロ(約1220)。さらに8306.2ユーロを追加すれば、AMGパフォーマンスパッケージによって32psと100Nmのモアパワーを手に入れることも出来る。欧州でのデリバリーは9月、日本へは早ければ年内に間に合うかもしれない。※1ユーロ=112.4換算
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