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日本では3000超え「911ダカール」は砂漠の冒険が可能なホンモノだった!
掲載 carview! 文:木村 好宏 12
ネーミングの候補「サファリ」が使えなかった理由
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「ポルシェ 911」への憧れを支える大きな要素にモータースポーツの存在がある。ル・マンでの数々の優勝は言うに及ばず、忘れてはならないのは一般公道、あるいはオフロードを走るラリーでの成功で、特に1984年に過酷なパリ・ダカールラリーにおける優勝は印象深かった。
このモータースポーツのDNAとヘリテージをアバター化したのが「911ダカール」である。ちなみに「サファリ」というネーミングも候補に挙がったが、すでにインドのタタ自動車がSUVに「サファリ」という権利を有しており不可能だったという。
オフロードセッティングの最高速度は170km/h
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![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/_mh10150.jpg?tm=1676947361)
今回、市販バージョンの試乗会がモロッコの東に広がるサハラ砂漠を控えるエラキディア郊外で開催された。すでに公表されているようにダカールのベースは「カレラ4 GTS」で、搭載されるエンジンは水平対向3Lツインターボ、最高出力は480馬力、最大トルクは570Nmを発生。トランスミッションは8速PDKが組み合わされ、4輪を駆動する。性能は0-100km/hが3.5秒、最高速度はオフロードセッティングでは170km/h、ピレリ製スペシャルオフロードタイヤのためにオンロードでは240km/hに抑えられている。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/pana8041.jpg?tm=1676947362)
テスト車はオプションのラリーデザインパッケージ(これだけで2万6000ユーロ=約373!!)をまとったモデルで、オフロード走行に向けてフロントとリアにステンレス製のアンダーガードを装備、エアインテークにも強固な金網が貼られている。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/pana8062.jpg?tm=1676947362)
リアシートレスや軽量装備でカレラGTS比+10kgと軽量
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シャーシセッティングはスポーツサスペンションを装備したスタンダードカレラよりも50mmアップ。さらに30mmのリフトが可能で、最高レベルでの地上高は161mmとなる。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/0241_dallas_02_BKOS8424_edit_V03_highres.jpg?tm=1676947943)
標準装着タイヤはこの911ダカールのために開発された専用の「ピレリ スコーピオンオールテレーン プラス」でサイズは245/45R19(前)と295/40R20(後)だ。二重構造の強化カーカスで、トレッドの深さは9mmもある。
加えてリア操舵(4WS)、ポルシェ・ダイナミック・シャーシ・コントロール(PDCC)も装備。エンジンマウントはGT3から移植されたリジットなものになっている。さらにリアコンパートメントにはロールケージが組み込まれ安全対策も万全である。
こうした様々な対策にもかかわらずリアシートの取り外し、カーボン製ボンネットや固定式リアスポイラー、さらにフロントとリアウインドウは軽量薄型タイプに交換、軽量バッテリーの採用などによって空車重量は1605kgと「911カレラGTS」(PDK)よりもわずか10kgの重量増加にとどまっている。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/pana7945.jpg?tm=1676947362)
面白いようにドリフトを楽しめるラリーモード
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スタンダードと大きく変わらない運転席と見慣れた操作系がエキサイトした私を落ち着かせてくれる。ダカールのドライブモードには「ウエット+」「オフロード」「ラリー」の3種が新たに加わっている。ラリーモードはミューの低い不正路面を考慮したもので、リア駆動を強調したマッピングが与えられている。またオフロードモードは3cm車高を上げてトラクションと悪路走破性を高めたセッティングとなる。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/pana7981.jpg?tm=1676947362)
テストコースはダカールラリーの参加者がトレーニングをすることで知られている場所でもあった。当然ながらこぶし大の石がゴロゴロ転がっている未舗装路で、まずはオフロードモードで進む。ボディは大きく揺すられるが4輪は路面をしっかりと捉えており、ステアリングホイールからは確実に路面からの情報が伝わってくるので操舵に不安感はない。
続いてラリーモードに切り替えて速度を上げて行くが、ここでは後輪に一層のトラクションが加わり面白いようにドリフトを楽しめる。さらに望めばこのモードでレーシングスタート、すなわちローンチコントロールも可能だ。
圧倒的な砂丘の登坂能力。オンロードも911クオリティ
やがて前方に砂漠が広がって来るとタイヤの空気圧を1.2バールにまで下げるように指示が入る。しばらくすると見上げるような砂丘が現れるが、19度のアプローチアングルとPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメント)をもったダカールの、ミューが低い砂丘へでの登坂能力はまるでサーファーが波に乗るようにスマートに駆け上がることを可能にする。参加したジャーナリストは皆、子供に返ったように砂遊びを楽しむ。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/_mh10641.jpg?tm=1676947361)
一方、帰路のアスファルト路面での走りでは固く荒いプロフィールのオフロードタイヤにも関わらず、快適な乗り心地が確保されており、さらに速度を上げるとドイツのアウトバーンで育まれたスポーツカー「911」ならではのスポーティなハンドリングと高速安定性を発揮したのは言うまでもない。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/_mh20852.jpg?tm=1676947361)
911ダカールは単にスペーサーで車高を上げただけのワゴンベースのマーケッティングの産物であるオフローダーとは違って、日常のドライブをこなした上に、その気になればオプションのLED投光器付の本格的ルーフキャリア(およそ5500ユーロ=約80)にスペアのガソリンや飲料水を積んで、荒野や砂漠に向かう冒険ドライブが可能なホンモノのであった。
![](https://cvimg01cv.c.yimg.jp/cvmaterials/materialUp/2023/1389/0327_dallas_03_BKOS1578_edit_V02_highres.jpg?tm=1676947944)
911ダカールは2500台の限定生産で、ポルシェ・ジャパンはすでに予約を受け付けており価格は3099と発表している。果たして何台が日本向けに割り当てられているかは不明だが、来年の春以降には日本に陸揚げされるはずである。
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写真:木村オフィス、ポルシェAG
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- 中古車本体価格
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220.0 〜 13900.0
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- 新車価格(税込)
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1694.0 〜 2615.0
みんなのコメント
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2023/2/28 16:47あくまでも、そんな気分でってことね。
サポートカーを引き連れてTVの企画で「冒険!」は、あるでしょうね。
将来のカルトカーになりますか? ゴルフ2カントリーみたいな・・。-
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