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走っても全然「楽しくないコース」! 「いいクルマ」を作るために生まれた「トヨタテクニカルセンター下山」ってどんなとこ?
この記事をまとめると
■トヨタの新型車の研究開発施設となっているのが「Toyota Technical Center Shimoyama」だ
ここが日本の未来である可能性も! トヨタが作るウーブンシティの激熱な中身
■施設内には山岳コースや高速評価路、特性評価路、車両開発棟、来客棟などがある
■トヨタは「Toyota Technical Center Shimoyama」で新型車を鍛え「もっといいクルマづくり」を実践している
「もっといいクルマづくり」には欠かせない研究施設
近年、レクサス、GR、そしてトヨタの多くの新型車で、開発の舞台として使われたと名前が挙げられるのが「Toyota Technical Center Shimoyama」。愛知県豊田市と岡崎市にまたがる地域に建設されたトヨタ自動車が掲げる「もっといいクルマづくり」を具現化するための研究開発施設です。
その名を聞いて多くの方がすぐに思い浮かべるのは、全長約5.3kmの山岳コース「カントリー路」でしょう。ドイツ・ニュルブルクリンクでの経験を活かして設計されたコースは、数多くのコーナーを持つだけでなく約75mもの高低差があり、縦横上下のさまざまな入力でクルマを徹底的に鍛える場。まさに「道がクルマをつくる」という言葉を象徴する舞台です。
運用が始まったのは2019年4月。現行のレクサスISの開発に使われたのが最初となるそうです。
じつは私もこれまで数回、新型車の試乗のために走らせていただいたことがあります。そこで抱いた印象は「楽しくないコース」です。もちろん、いい意味で。
攻略する楽しさ、コントロールの歓びといった要素は当然ながらまったく意識されておらず、全域「ここでブレーキングするのは嫌だな」、「ここでステアリングを切るのは注意が要るな」というポイントばかりです。要するに、そこを安心して走れるようにするためには「もっといいクルマ」づくりがマスト。さらにいえば、そこでクルマを開発する「ひと」も鍛えられる。そういうコースなのです。
そんなカントリー路ですが、じつはここは中央エリアと呼ばれる「Toyota Technical Center Shimoyama」のなかの一部でしかありません。何しろ敷地面積は650.8ha! ベタですが東京ドーム139個分もの広さなのです。
2021年10月から順次運用が始まっている東エリアには、高速評価路、特性評価路といったコースが用意されています。これは操縦安定性、乗り心地などの開発はもちろん、いまの時代にはADAS関連の開発も進められることになります。
このエリアは、地平線の先までずっと続いているかのように広大で、世界各地の特殊な路面を再現したという特性路も何本も用意されています。トヨタ自動車の車種ラインアップの多さを考えれば、それらも必須というわけですね。
2024年3月からいよいよ全面運用開始
さらに、2024年3月から運用開始となったのが西エリア。ここにあるのは車両開発棟、そして来客棟です。
とりわけ注目は車両開発棟。ここにはレクサスカンパニー、GRカンパニーの事業・開発拠点です。いわゆる車両開発、評価のメンバーだけでなく、企画やデザイン、開発に設計、そして試作から評価に至るまでの広範な機能がここに集まり、クルマづくりを進めていきます。
フロアは開放的なデザインで、部門ごとの間仕切りなどはなし。オープンにやり取りができるようになっています。しかも、1階はガレージになっていて、中央エリアや東エリアのテストコースに直結。クルマを走らせ、課題が見つかったらすぐにそこを改良し、また走らせるという、まさにモータースポーツの現場のような車両開発が可能となっているのです。
一方で、忘れてはいけないのが環境保全と地域への貢献。じつは敷地面積の約6割で土地本来の森林が残され、保全されているほか、新たな緑地の造成なども行なわれています。たとえば盛り土をする部分には、敷地内の別の箇所で掘った土を使う、森林を削ったら、別の場所に同じだけの木々を植える。そうした配慮がなされているのです。東エリアにある環境学習センターは、まさに地域との共生、環境保全のために活用されています。
単なるテストコースには留まらない、まさにクルマの開発のすべてを担うことができる施設が「Toyota Technical Center Shimoyama」。全面運用開始となった2024年3月からは総勢3000人のメンバーがここに集結して、「もっといいクルマづくり」を実践しているのです。
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ニュル仕込み 客はそーいうの好きですから