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2009年、2代目MINIに登場したジョン・クーパー・ワークス(JCW)シリーズに、JCWクラブマン/JCWコンバーチブルが仲間入りした。初代はキット販売が中心だったが、2代目は最初からコンプリートカーとして登場したことも話題になった。ここでは日本上陸間もなく行われたJCWクラブマン/JCWコンバーチブルの国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年9月号より)
クラブマンにJCWが設定されるのは初めて
かつて、名チューナーのジョン・クーパーがチューニングしたミニは、ラリーモンテカルロのほか、数々のレースに勝利。そこから、ミニのスポーツバージョンとして「クーパー」の名声が広まった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
その伝統は、新世代のMINIにも受け継がれ、初代MINIではクーパーとクーパーSのMT車用に、ジョン・クーパー・ワークス・チューニングキットが用意されていた。
このキットは、エンジンの吸気系パーツや専用シリンダーヘッド、排気系といったエンジンのヘッドチューニングを中心としたもので、さらにLSDや専用アルミホイール、専用ブレーキキャリパーといった一連のパーツもセットになっていた。これにより、クーパーSは210psまでパワーがアップした。
新型MINIでは、このジョン・クーパー・ワークス(JCW)が、キットではなく、もっともスポーティな「グレード」として設定された。そして今回、ハッチバックに続いて、クラブマンとコンバーチブルのJCWが登場したのだ。クラブマンのJCWは、もちろん初登場となる。
このJCWのポイントとなるのはやはりエンジンだ。クーパーSに搭載されるエンジンのピストン、バルブ、ターボチャージャー、インテークシステム、エキゾーストシステムを、サーキット走行を考慮したレベルまでチューニングし、最高出力211ps、最大トルク260Nmを発揮する。
クーパーSと比較すると、最高出力は36ps、最大トルクは20Nmのアップを果たしていて、0→100km/h加速は、JCWクラブマンが6.8秒、JCWコンバーチブルが6.9秒と発表されている。
このエンジンに加えて、クロススポークチャレンジとネーミングされた軽量アルミホイール、スポーツツインテールパイプ、高性能化されたブレーキがJCWの専用装備となる。
モータースポーツ譲りの刺激的な走りを味わえる
ハンドルは適度に重く、直進安定性がよく、高い速度域でも安心感がある。ノーマルより少し硬いかなと感じた足まわりも、不快というほどのものではなかった。
まずは、高速道路でJCWクラブマンを試乗した。赤いシフトパターンが刻まれた6速MTのシフトを操作して加速していく。最大トルクが1850rpmという低回転から発生し、5600rpmまでフラットに続くため、あっという間に制限速度に達してしまう。トルクが280Nmまでアップするオーバーブースト機能を備えているが、サーキットでもなければ、その機能を使わなくても十分に速い。
車内は静か、ではもちろんない。しかし、スポーツマフラーが胸を高鳴らせるようなサウンドを奏でてくれるから、高速道路を軽く流していても楽しむことができた。
途中、JCWコンバーチブルに乗り換えた。こちらはJCWクラブマンよりも段差での突き上げが大きいかなと感じた。これはJCWコンバーチブルの方が、ホイールベースが20mm短いことが影響しているのだろう。
その後、高速を下りて、ワインディングに移動すると、MINI特有のゴーカートフィーリングを味わうことができた。JCWコンバーチブルには、JCWクラブマンほどボディのカッチリ感はないが、「オープン」という要素が、そんな部分を簡単に忘れさせてくれる。取材日は異例に気温が低かったが、オプションで備えるシートヒーターを入れれば暑いくらいだった。
JCWクラブマンも、ワインディングの走りを楽しむことができた。2台に共通するのは、サーキットでの使用をも想定したブレーキの制動力が非常に高く、それでいてコントローラブルだったことだ。
そのため、安心してコーナーへとアプローチできる。そして、コーナーを抜けてからは、あの加速力がモノをいうのだ。コレは楽しい。さらに、シフトレバー近くに備わるスポーツボタンを押すと、ステアリングとアクセルの反応がさらに鋭くなった。こんな風に、JCWにはドライバーが走りを楽しむ要素がたくさんつまっているのだ。
自分好みに仕上げるための豊富なアクセサリーを用意
さて、JCWにも豊富なオプションが用意されている。それらを装着すると、大きく印象が変わってくる。
オプションを何も装着しない状態で、JCWを主張するのは、グリルやリアに付いたJCWのエンブレムと、先に述べたような専用装備くらい。取材車が装着する迫力あるエアロパーツはオプションだ。
インテリアも、トリムをカーボンに変更したり、ギアシフトインジケーターを装着できたりと、様々なオプションが用意される。こうしたカスタマイズ性の高さも、MINIに乗るということを楽しめる部分であり、このJCWでも自分の思い描いたMINIに仕上げられるのだ。
そして、そのクルマの走りが楽しいのだから、こんなに嬉しいことはない。(文:Motor Magazine編集部/写真:島村栄二)
MINI JCW クラブマン 主要諸元
●全長×全幅×全高:3960×1685×1445mm
●ホイールベース:2545mm
●車両重量:1260kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:155kW(211ps)/6000rpm
●最大トルク:260Nm/1850-5600rpm
●オーバーブースト時最大トルク:280Nm/2000-5300rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格:389(2009年当時)
MINI JCW コンバーチブル 主要諸元
●全長×全幅×全高:3715×1685×1415mm
●ホイールベース:2465mm
●車両重量:1260kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:155kW(211ps)/6000rpm
●最大トルク:260Nm/1850-5600rpm
●オーバーブースト時最大トルク:280Nm/2000-5300rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格:414(2009年当時)
[ アルバム : MINI JCW クラブマン,MINI JCW コンバーチブル はオリジナルサイトでご覧ください ]
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