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SHARE■トラック、バス業界を取り巻く環境下において足元から物流を支える
トーヨータイヤは2024年4月24日、小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135(デルベックス エムイチサンゴ)」と小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV(ナノエナジー エム イチゴイチ イーブイ)」を、それぞれ同年6月1日より順次発売すると発表しました。
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同社は4月24日、報道機関向けに「DELVEX M135」と「NANOENERGY M151 EV」の新商品発表会を都内で開催し、それぞれのタイヤを開発した背景や商品の特長について説明しました。
同社技術開発本部長の水谷保氏は、新商品発表会の冒頭で「昨今、物流業界はさまざまな問題に直面しており、特にEコマースの市場成長にともなう小口配送の増加、物流の2024年問題などによるドライバー不足の常態化、温暖化の影響による突然の気象変化や大雪など、さまざまな困りごとがトラック、バス業界を取り巻いている。トーヨータイヤとして、その環境下において足元から物流を支えるため、ユーザーの困りごとに対応した商品開発を進め、今回この2モデルの新商品の開発をおこなった」と2モデルを開発した背景にある、トラックやバス業界を取り巻く環境について言及しました。
■耐摩耗性能と低燃費性能を両立した「DELVEX M135」
「DELVEX M135」は、タイヤトレッド面に動きを抑制する大型センターブロックや、積車時から空車時まで幅広い荷重域でのグリップ力を確保するワイドセンターエリアを配置することで、小口配送が主体の小型トラックに最も重要と考えられる耐摩耗性能とウエット性能を向上させた、小型トラック用リブタイヤです。
同社商品企画本部生産財商品企画部長の杉本裕昭氏は「DELVEX M135」の開発背景について、「物流の2024年問題によりドライバーの労働時間が制限され、未経験ドライバーの採用増加が予測されるなか、より高い安全性能を求める声が増えている。その結果、小型トラック用タイヤにはさらなる摩耗ライフの向上および、低燃費性能の向上、安全性能に優れたタイヤが求められる」と、物流業界を取り巻く環境を交えて説明しました。
同タイヤは、新たに開発した「耐摩耗LT専用コンパウンド」と小型トラック専用設計の新パターンにより、ウェット性能を維持しながら摩耗ライフを向上させているそうです。これにより、摩耗ライフが同社従来品(M134)比で32%向上したとしています。さらに、トレッドベース部に低燃費コンパウンドを採用したことにより、低燃費性能を向上させているとのことです。
「DELVEX M135」の発売は、2024年6月に8サイズ、同年8月に8サイズを予定しています。
■国内タイヤメーカー初の小型EV専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV」
一方、「NANOENERGY M151 EV」は、同社のトラック・バス用タイヤでは初めてEV専用非対称パターンを採用したほか、耐摩耗NCPコンパウンドにより、トラクション性能と耐摩耗性能を高次元で両立させているとのことです。さらにEVにおける低電費性能を追求した、小型EVトラック専用リブタイヤです。なお、同社によると、小型EV専用とうたったタイヤは、国内タイヤメーカー初とのことです。
同タイヤを開発した背景として杉本氏は「物流業界でモーダルシフトなど脱炭素化に向けた取り組みが本格化しているなか、輸送車両のEV化も進んできており、商用車メーカー各社においてもEVトラックのラインナップを強化していることから、今後さらに需要の増加が見込まれる。また、一回の充電で可能な走行距離が重要なため、タイヤも低電費性能が必須。特にEVの特徴である大トルクや、バッテリー搭載による重い車重などに適したタイヤが求められており、耐摩耗性能、トラクション性能、低メンテナンス性、低電費性能、低騒音といった、タイヤに求められるものの変化に合わせて開発した」と開発の背景について説明しました。
タイヤパターンは非対称で、OUT側は、低電費性能や耐偏摩耗性能に優れたリブパターン、一方IN側は、EV車特有の大トルクによるトラクション性能を重視したブロックパターンが採用されています。また、分子(ナノ)レベルで分析、解析、素材設計、加工する同社独自技術である「ナノバランステクノロジー」を活用した、耐摩耗NCP(ナノコンポジット ポリマー)コンパウンドを新配合することで、耐摩耗性能と低電費性能を高次元で両立したと言います。その結果、摩耗ライフは従来品(M125ZB)比で21%向上、転がり抵抗は2%低減しているとのことです。
「NANOENERGY M151 EV」は「215/70R17.5 123/121J」1サイズを、2024年6月に発売予定。価格はオープンです。
今後の展望について水谷氏は「次世代モビリティとして比率が高まるであろうEV車の専用タイヤを、各市場でいち早く発売したい。いち早く市場に出すことで、お客さまからのフィードバックを早くいただき、商品開発に生かし、開発サイクルを回してしていきたい」と述べ、新商品発表会を締めくくりました。
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