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絶景ロードと美味い飯 「ザ・ドライブ飯」 第二回 外房の漁師町、勝浦“いしい”のホットな「タンタンメン」
- 筆者: 小松 男
- カメラマン:小松 男
心が洗われる気持ちの良い道、息をのむ眺望、そして美味い飯、これらが揃えば極上の癒しとなることだろう。ここでは全国各地の美味しい物を“ザ・ドライブ飯”として絶景ロードや周辺スポットと合わせてご紹介。今回は外房勝浦のタンタンメンをお送りする。
アクアラインを経由し房総半島に渡る
ドライブをしながら美味しい食事を追い求めるザ・ドライブ飯。今回はアクアラインを使い房総半島へ渡る。山間部を通り外房まで抜けて心地よい潮風が吹く海岸線を走り、漁師町、勝浦に店を構える「いしい」の「タンタンメン」を食することにする。ご当地グルメとして知られる勝浦タンタンメンを提供する店の中でも、辛さと旨みのバランスが良く、これまでに何度も伺っているところだ。
想像以上に山深い房総の地
アクアラインから続く圏央道の整備が進み、房総半島へのアクセスは格段に良くなった。そして2019年には房総スカイラインや鴨川有料道路が無料化されたことや、房総半島は関東圏では割と温暖な気候であることなどからも、ドライビングコースにお薦めできるポイントだ。
海水浴やサーフィン、そして釣りなどのマリンレジャーのイメージがあるが、山に目を向けると、ワインディングロードも多数あり、道幅の広い快走ルートや、車がすれ違えないようなドキドキアタックルートまで楽しめる。それらのこともあり元来運転好きの私は房総へ向けて舵を取ることも多いのだ。
日本三大朝市のひとつ勝浦朝市
君津周辺から山道に入り、房総スカイラインを通り抜けて鴨川へ出る。太平洋を眺めながら町を繋ぎ勝浦へとたどり着いた。
実は勝浦を目指す理由は、勝浦タンタンメンだけではなかった。430年もの間続けられており、日本三大朝市に数えられている勝浦朝市に行くためだ。毎週水曜日と元旦を除き、毎日開催されているということにも驚かされる。なお、市営駐車場が無料で開放されている。
ちなみに他の三大朝市は岐阜と輪島であり、すべての朝市に特色があるので、どこに行っても楽しめるのだが、関東から行くとなると勝浦以外はやや遠い。
時代の流れに負けない勝浦の力
数年ぶりに訪ねた勝浦朝市だったが、平日だったということもあり、出店数がかなり減っている印象を受けた。魚を売っている店で話を聞くと、新型ウイルスの影響で客足が遠のいたことと、特に今年に入ってからは高齢者が開いていた店が軒並み畳んでしまったということ。週末は若い人たちの店が多く出るので賑わっているそうだが、少々寂しい気分になってしまった。
とはいえ勝浦は朝市も名物ではあるが、そもそも漁業の町でもある。勝浦漁港は日本有数のカツオ水揚げ量を誇っており、周辺には港で働く人の姿が多くみられるほか、点在する食堂も賑わっている。朝市も大切にしつつ、土台となる漁業にしっかりと注力していることも伺えた。
海女さんの体を温めるための辛口ラーメン
漁港や朝市を散策してから今回の目的である御食事処「いしい」に入る。朝7時に開店し14時には暖簾を下げてしまうので、朝市とセットに伺うというのが効率的。勝浦タンタンメンで有名な店ではあるが、カツオの刺身やなめろう、各種定食、丼物、さらには一品料理など幅広く充実したメニューが用意されている。辛口のタンタンメンが苦手な人にも満足させる品揃いだ。
以前同店に訪れた際に勝浦タンタンメンのことを聞いたのだが、昔から勝浦には海女さんが多く存在し、アワビなどを採るために冷たい海に潜って作業をしてきた。海から上がった後に、その冷え切った体を温めるために辛いスープのラーメンが生み出されたということだ。
刺激的な辛さと深い旨み
今回はタンタンメン(800)にチャーシュー(200)をトッピングしオーダー。ゴマがふんだんに取り入れられた真っ赤なスープに、厚めに切られたチャーシューが浮かべられ、さらにその上に生の玉ねぎスライスがのせられている。食欲をそそられるビジュアルだ。
私は辛い物が好きだ。家の庭ではジョロキア、ハバネロ、韓国青唐辛子をはじめ様々な種類の唐辛子を育てているだけでなく、国内外で激辛チャレンジメニューに挑戦してきた。よって、通常の味覚よりも辛さに麻痺している傾向がみられるが、それでもしっかりとした刺激が感じられるのだから、結構辛さが強いのだ。それだけでなくスープには深い旨みが凝縮されている。額に汗をにじませながらノンストップで平らげてしまった。
これまでいくつかの店で勝浦タンタンメンを食したが、どの店も特色があり、その中で私が選んでいるのはいしいなのだ。機会があれば是非、食べ比べしてみると良いだろう。
夜が明ける前に勝浦を目指し出発、朝市や漁港を散策し、勝浦タンタンメンを楽しむ。海や山の道を存分に堪能して早めに帰宅する。休日にこんなドライブはいかがなものだろうか。
■御食事処 いしい
千葉県勝浦市勝浦159
営業時間 7時~14時
定休日 水曜日
※2022年2月22日現在
[筆者:小松 男/撮影:小松 男]
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中古車屋を廃業した後、出版社へ勤務。乗り物系を中心に数誌の雑誌編集長を務めた後、フリーランスへ転身。国内外ブランド、大小、モデルタイプを問わず、乗り物ならば何でも乗りたがる性分の元祖雑食系。好きなものは、車、バイク、自転車、飛行機、船、列車、美味しいもの、お酒、ジョギング、水泳、DIY、買い物など。反面嫌いなものはないというデラックスポジティブ派。出不精かつ出たがりという二面性を持つ昭和52年式。記事一覧を見る
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