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【シエンタとルーミー比較】価格差約6も、先進安全装備や室内高の高さを求めるならルーミー! シートアレンジの多彩さ重視ならシエンタだ
- 筆者: まるも 亜希子
- カメラマン:MOTA編集部
モデルチェンジを追うごとにサイズが大きくなる昨今の新型モデルたち。だからこそ5ナンバーサイズに留めたコンパクトミニバンが人気を集めている。今回は3列シートを備えるトヨタ シエンタと2列シートのルーミーと比較。一見するとサイズの違いから比較対象になり得ないようにも思えるが、価格帯はかなり近いのだった。一体ファミリーにはどちらがオススメなのか!? 内装装備や先進安全装備、そして維持費に至るまで比較を敢行。どんな違いがあるのか!?
5ナンバーサイズファミリーカー対決!
コンパクトで便利に使えるファミリーカーが欲しいと考えているパパ・ママ。それなら大人気のトヨタ シエンタ、トヨタ ルーミーは有力候補に挙がりますよね。価格はほぼ互角のこの2台ですが、使い勝手や装備内容はどうなっているでしょうか。この記事では購入後の維持費予想も含めて徹底比較します。
価格差約6! シエンタの中級グレードとルーミーの最上級モデル比較
シエンタ最大の特徴は3列シートを備える点にあり
まずトヨタ シエンタは、両側スライドドアを備えた5ナンバーサイズのボディに3列シート7人乗りと2列シート5人乗りを用意するコンパクトミニバンです。1.5リッターのガソリンとハイブリッドがあり、ガソリンモデルには4WDも設定されています。
今回取り上げるグレードは、ガソリンの「G」210万7000(2WD)。外観ではLEDヘッドランプを備え、15インチのスチールホイールを履いています。インテリアは標準だとブラックのシートですが、オプションで上級ファブリックのフロマージュ×ダークブラウンも設定されており、ちょっとオシャレな雰囲気に。3列シート7人乗りとなっています。
>>打倒フリード! 新型シエンタは先進安全装備の充実と2列目シートの快適性大幅向上で2022年度に登場か!?
ルーミーはコンパクトながら広い車内スペースが魅力
一方でトヨタ ルーミーは、同じく両側スライドドアを備えたボックス型のボディが特徴で、2列シート5人乗りのみ。1リッターのガソリンモデルで、2WDと4WDが設定されています。
今回取り上げるグレードは、トップグレードとなる「カスタムG-T」204万6000。外観はLEDヘッドランプが付き、15インチのアルミホイールを履いていますので、足もとが引き締まった印象です。インテリアはブラックのファブリックで、シンプルで使いやすい雰囲気となっています。
【内装比較】どちらも両側パワースライドドアが標準装備! 最大の違いは車内高にあった
ウェルカムパワースライドドアが超便利! シエンタは後席へのアクセスもラクラク
ではまず、室内空間の使い勝手や装備を比べてみましょう。
シエンタは、室内長が2535mm、室内幅が1470mm、室内高が1280mmという広さ。3ナンバーミニバンだと室内高が1300mm以上あるのが一般的なので、ミニバンとしてはやや天井が低めとなっています。ただ、座ってみると頭上のゆとりは十分で、3列目シートはちょっとタイトなものの、2列目シートは大人でもリラックスして座れます。
インパネのセンターにシフトノブが置かれていて、運転席と助手席が行き来できるサイドウォークスルーや、1列目シートと2列目シートを行き来できるセンターウォークスルーが可能。3列目シートへのウォークスルーはできませんが、雨の日などに後席の子どものお世話をしたり、荷物を取ったりする際にいちいち車外におりなくてもいいので便利ですね。
乗り降りも、パワースライドドアが両側に標準装備なので、低いステップとも相まって、小さな子どもや大きな荷物を持ったままでも乗り降りしやすくなっています。
キーを持って近づくだけで自動オープンするウェルカムパワースライドドアや、完全に閉まるのを待たなくても自動でロックできる予約ロック機能もあるので、無駄な操作が省け、時短になるのもいいですね。
ルーミーの室内高は約135cm! 撥水加工シートなど子育て世代に嬉しい機能満載
対するルーミーは、室内長が2180mm、室内幅が1480mm、室内高が1355mm。横幅と高さでシエンタより広くなっており、とくにMサイズミニバン級の天井の高さを備えている点が大きな魅力。小学校低学年くらいまでの子どもなら、立って着替えなどができる空間となっています。
シートが撥水加工のファブリックになっているので、食べこぼしや汚れに強いのも嬉しいですね。前席も後席もゆったりとしていて、とくに後席の足もとスペースは驚くほど広大。足を組んでもまだまだ余っている印象です。格納式リヤドアサンシェードが標準装備されているのも助かりますね。
そして、運転席と助手席が行き来できるサイドウォークスルー、前席と後席が行き来できるセンターウォークスルーも可能。荷室にまで手が届くので、車外に降りなくても荷室の荷物が取れるのも便利です。
乗り降りは、両側にパワースライドドアが標準装備で、ウエルカムオープン機能と予約ロック機能が付いています。ここはシエンタと互角ですが、なにせ天井が高いのでスライドドアの開口部も高さがあり、大人でも腰をあまりかがめずに乗り降りできるのがラク。大人の高さでも子どもの高さでも握ることができる、大型アシストグリップが付いているので、掴まって安全に乗り降りできるのもいいところです。
【収納&便利機能比較】どちらも後席にUSBポートはなし! 収納スペースは僅差でルーミーの勝ち
シエンタは2つのUSBポートを装備!
シエンタの収納スペースは、サッと小物が置ける助手席オープントレイや、見せたくないものをしまえるアッパーボックス、コンソールサイドポケットなど豊富です。
2列目・3列目シートにも両側にボトルホルダーがあり、3列目にはポケット、3列目にはスマホホルダーが備わります。USBはフロントに2個。2列目シート用のUSBがないのはちょっと残念ですね。アクセサリーソケットもフロントに1個となっています。また、エンジンスイッチを押すと、天井のランプが光るイルミネーテッドエントリーシステムも備わります。
エアコンはオートエアコン&ダイヤル式ヒーターコントロールパネル。花粉除去タイプのクリーンエアフィルターが装備されています。オプションでシートヒーターやステアリングヒーター、スーパーUVカット+IRカット機能+撥水機能付きグリーンガラス(フロントドア)が選択できます。
ルーミーは女性に嬉しい充実した小物入れが魅力
対するルーミーは、なんでもホイホイ置ける大型の助手席オープントレイや、脱着式で便利な大型センターダストボックス、センターフロアトレイ、座面の下が収納になっている助手席シートアンダートレイなど、多彩に備わります。
USBはフロントに1個と、ちょっと少なめ。アクセサリーソケットがフロントとデッキサイドに1個ずつ備わっています。
エアコンはオートで、通常のクリーンエアフィルターを採用。オプションで「コンフォートパッケージ」を選ぶと、シートヒーターやシートバックテーブルが備わります。
【シートアレンジ比較】シエンタの3列目シートの格納方法に注意が必要! ルーミーはシートアレンジの手軽さが魅力
ではシートアレンジと荷室の使い勝手を比較しましょう。シエンタは、2列目シートがスライドとリクライニング機能付きで、最適な姿勢で座ることができます。3列目シートもリクライニングできるのがいいですね。4WDには2列目シートにアームレストが備わるのですが、2WDモデルには付いていません。
そして2列目シートは5:5分割のタンブル機能付きで、低くフラットに格納できるタイプ。3列目シートが2列目シートの下にダイブイン格納できるようになっており、荷室も低くフラットになるのが便利です。
ただ1つ注意点は、3列目シートを畳む際には必ず2列目シートを持ち上げる操作が必要となるところです。2列目シートにチャイルドシートを常時設置しておく場合には、ちょっと操作が面倒になってしまいます。その代わり、2列目シートまで全て格納すると、荷室長は1430mmにもなり、ベビーカーをそのまま積んだり、自転車もモノに寄っては2台積みが可能となり、大容量の荷室が確保できます。
>>トヨタ シエンタが売れているのは3列目シートの収納方法にあった! ライバルのフリードよりもフルでラゲッジルームを使えるのが強み
ルーミーは、後席がスライドとリクライニング可能。最後端にすると広大な足もと空間が生まれ、子どもの着替えやオムツ替えなどのスペースとしても有効です。荷物が多い時は、スライドで簡単に荷室スペースを広げることができるのも便利。
6:4分割可倒式で、低くフラットな荷室が確保でき、デッキボードが防汚シート付きなので汚れを気にせず荷物が積めるのもありがたいですね。
【先進安全装備比較】シエンタは必要最低限の機能。機能面はルーミーの圧勝
続いて先進の安全装備を比較します。シエンタは、トヨタセーフティセンスが標準装備ですが、その内容は昼間の歩行者と昼夜の車両を検知する衝突回避支援ブレーキ、レーンデパーチャーアラート、オートマチックハイビームのみと、かなり手薄な印象です。
インテリジェントクリアランスソナーやサイドエアバッグもオプションで、全車速追従機能付きのACCや誤発進抑制機能などがないのは残念なところですね。
その点ルーミーは、かなり充実しています。停止保持機能があって渋滞でも使える全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールをはじめ、昼夜のクルマと歩行者を検知する衝突回避支援ブレーキ、前方・後方の誤発進抑制機能、ふらつき警報や車線逸脱警報といった「うっかりミス」を予防してくれる機能まで。アダプティブドライビングビームも標準装備なので、夜間のドライブも安心です。
【維持費比較】トータルの維持費はルーミーが安いも燃料代に限ってはシエンタの勝ち
それでは最後に、維持費の予想を比較してみましょう。シエンタは、年に一度かかる自動車税が3万4500、車検ごとにかかる重量税が3万6900。ガソリン代は、燃費がWLTCモードで17.0km/Lなので、レギュラーガソリンの平均価格(12月2日現在)163で計算すると、500km走行するのに約4794かかります。
ルーミーは、自動車税が2万9500、重量税が3万6900。ガソリン代は燃費がWLTCモードで16.8km/Lなので、500km走行するのに約4851かかります。
ということで、やはり多彩なシートアレンジを求めるならシエンタ、天井の高い空間と高い安全性を重視するならルーミーという印象でした。皆さんのファミリーにはどちらがピッタリか、ぜひじっくり検討してみてくださいね。
【筆者:まるも 亜希子】
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大学卒業後、編集プロダクション株式会社エディトリアル・クリッパーに就職、自動車雑誌「ティーポ(Tipo )」の編集者として6年間勤務。2003年にフリーランスとして独立。現在は雑誌やウェブサイトの自動車関連記事に出演・寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る
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