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SHARE新型セレナに試乗。「家族が楽しめるミニバン」の正常進化形、センスが光るデザインもポイント
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:小林 俊樹 153
新型セレナが遂に発売
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新型セレナはどんなクルマ?
最近のモデルはどれもいわゆる5ナンバーサイズの枠を超えていますが、それでも「おおむね5ナンバー級サイズ」といえるミニバンの中では以前からの売れ筋である日産「セレナ」。そのセレナがこのたび6代目となるフルモデルチェンジを受けました。
本稿では、新型セレナの試乗を通してわかった特徴をひも解きつつ、「今度のセレナは結論として"買い"なのか?」ということについて考えてまいります。
日産が2020年に行った調査によれば、ユーザーが5ナンバー級ミニバンを購入する際に重視するポイントは下記の通り。これは、2010年時の調査結果とさほど変わっていないとのことです。
1 広い室内空間:57%
2 大人数でゆったり座れる:54%
3 車両価格:44%
4 ボディカラー:48%
5 シートの大きさ・快適性:42%
6 乗降性:41%
7 外観デザイン:40%
ちなみに2010年の調査では7位に入っていた「運転のしやすさ」という重視ポイントは、2020年の調査では圏外になった模様。そのため、今回の記事の主題を「走行性能や走行フィール」にするのはナンセンスであるため、上記の順番にしたがって物事を進行させることとします。まずは「室内空間」から考えてみましょう。
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"BIG"な室内空間
新型セレナは「家族との遠出を最大限楽しむためのミニバン」というのを基本コンセプトとしており、その基本コンセプトを支える柱のひとつとして「BIG」というキーワードがあります。
それゆえ当然ながら、新型セレナの室内空間はなかなかBIGです。
具体的には、1列目から3列目までの各ニールームの広さはこのクラスでナンバーワン。身長175cmの人間が適切なドライビングポジションをセットし、そして3列目にこれまた170cmほどの人間が座っても、2列目には身長175cmの人間が普通に余裕をもって座ることができます。
またセレナはクラス唯一の「3列目シートが前後に120mmスライドする」という機能を有しているため、フル乗車時であっても荷室を広めに設定できるという美点もあります。ただし新型セレナの3列目シートは、ホンダ ステップワゴンのような床下収納式ではなく、トヨタ「ノア/ヴォクシー」などと同じ「左右への跳ね上げ式」です。
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今回のモデルチェンジで「e-POWERにも8人乗り仕様が追加された」ということもあり、新型セレナの室内空間は、総じて「広く、大人数でゆったり座れるものである」と結論づけていいでしょう。
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妥当な値付け
お次は「車両価格」です。
新型セレナの車両価格は、本稿執筆時点ではまだ発表されておらず、わかっているのは試乗会にて乗った3グレードのプライスのみですが、それらは下記のとおりです。
●ハイウェイスターV(2WD/8人乗り)・・・326万9200
●e-POWER ハイウェイスターV(2WD/8人乗り)・・・368万6100
●e-POWER LUXION(2WD/7人乗り)・・・479万8200
これらの中で売れ筋になると思われる「e-POWER ハイウェイスターV 2WD」は、従来型の同グレード(7人乗りですが)と比べて10万3400高くなっています。しかし昨今の、クルマに限らず「なんでもかんでも高くなっている」という世相の下では"妥当な値付け"というほかないでしょう。いや、むしろ「頑張って値上げを最小限にとどめた」とするべきかもしれません。
また、新型e-POWER ハイウェイスターVの競合となる「トヨタ ヴォクシー HYBRID S-Z(2WD/7人乗り)」の車両価格は374です。標準装備されるモノの内容なども異なるため一概に比較はできないのですが、それでも、新型セレナの車両価格は「普通に安い(もしくは高くはない)」と評価していいでしょう。
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「なかなか快適」と思わせる走り
「ユーザーが5ナンバー級ミニバンを購入する際に重視するポイント」の順番通りに話を進めるとしたら、次は「ボディカラー」になるわけですが、ここに関しては「好みは人それぞれ」としか言いようがないため割愛します。
ただ、新設定された「利休」という黄土色(?)のメタリックカラーは個人的にかなり良いと思いましたし、白系またはグレー系のボディに黒いルーフを合わせた場合の2トーンカラー車は、今回のデザインにかなりマッチしているように思えました。
お次、「シートの大きさ・快適性」に参りましょう。
限られた5ナンバー級ボディサイズの中で最大限の空間効率を追求しているため、新型セレナのシートサイズは他の同クラスミニバンと同様に、さほど大ぶりなものではありません。とはいえ平均的なサイズではあり、日本人男性として平均的な体格であるテスター(身長175cm/体重67kg)が座る限りにおいては「普通に快適」といえるものです。
また新開発された「ゼログラビティシート」というものも新型セレナには採用されていて、これは要するに「腰をしっかり支え、頭部の揺れも20%軽減させる」というものです。劇的なまでの効果は感じませんでしたが、言われてみると確かに助手席でも2列目でも快適に座り続けることができたのは、この「ゼログラビティシート」の恩恵もあったのかもしれません。
しかし、それ以上に快適性に貢献しているのは「ミニバンとしては車体の揺れが少ない」という点なのでしょう。
特にe-POWERにおいて顕著な「加減速のなめらかさ」と、コーナリング時のロールスピードを穏やかなものにするなどのサスペンションセッティングの妙により、乗員は「うむ、なかなか快適だな」と感じるわけです。
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上品な風格漂うデザイン
お次の「乗降性」も悪くありません。普通に低床なつくりになっていることに加え、デザイン上の重要なアクセントになっている「ボディサイド下部前方部分のえぐれ」は、乗員が車内に乗り込む際に「足を引っ掛けにくい」という機能も提供しています。
そして最後の「外観デザイン」は――もちろん人それぞれの好み次第ではあるのですが、テスターには「良い」と感じられました。
従来型セレナのフロントマスクは、まぁ言ってみれば「ファミリー系ミニバンとしてはよくある感じ」に筆者には見えましたが、今度のやつは違います。
わざとらしい(?)Vモーショングリルを付けるのではなく、横ではなく縦に配置したLEDプロジェクターヘッドランプの位置により、さりげなく「Vモーション」を表現。そしていわゆるフロントグリルは昨今のトレンドにしたがって従来型より大きくなっていますが、下品なオラオラ感のようなものは皆無で、なんと言いますか「上質な風格」のようなものだけを感じさせます。
またホイールデザインが、標準モデルのそれもハイウェイスターのそれも、ざっくり言ってしまえば「カッコよさと今どき感、そして高級感がある」という点も、実際に購入するユーザーとしては嬉しいポイントでしょう。
「外観デザイン」から話は少しそれてしまいますが、買うにあたっては非常に重要なポイントである「内装デザイン」も、新型セレナは秀逸です。
現行型ノートから採用されたモノリス――メーターとセンターディスプレイがバイザーレスで一体になった、ちょっとiPhone風な先進的インターフェイスは、非常にスタイリッシュであるのみならず、「前方視界の良さ」にも貢献しています。
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第2世代e-POWERのFUNな走り
さて、以上をもって「ユーザーが5ナンバー級ミニバンを購入する際に重視するポイント」に基づく報告は終わるわけですが、さすがに「走り」に関する報告がゼロのまま仕事を終えるわけにもいかないでしょう。ということで、ご報告いたします。
まず新型セレナは「BIG/EASY/FUN/CONNECT」という4つの英単語をキーワードとしているわけですが、「EASY」という部分については、さらに簡単に使えるようになった「プロパイロットパーキング(メモリ機能付き)」や「プロパイロット リモートパーキング」、シフトレバーのない「ボタン式電制シフト」等々の採用により、「従来型よりかなりEASYになった」と言えます。
また「FUN」というのは要するに"走り"に関することだと思いますが、e-POWER採用グレードは特に「FUNである」と言っていいでしょう。
新開発されたe-POWER専用の1.4Lエンジン「HR14DDe」はきわめて静粛性が高く、なおかつ今回は車体の方の遮音にもかなりこだわった模様。さらには、車両状態や走行環境に加えて「ナビと連動してエンジン作動タイミングを制御し、放充電を先読みして自動的に制御する」という先進機能も備わっているため、走行中の新型セレナe-POWERはEV並み……とまでは言いませんが、しかしそれに近い静けさを感じさせる車になっています。
またe-POWERは動力性能も十分。重たいバッテリーが車体の下の方にあることから"低重心感"もばっちりであるため、この箱型の車をなかなか気持ちよく操縦することが可能です。
最高出力110kWの2.0L自然吸気エンジンにエクストロニックCVTを合わせるガソリン車の方は、当然ながらe-POWERほどパワフルでも静かでもありません。しかし特に不足はなく、出力特性もガソリン車としてはリニアであるため、車両価格の安さと併せ、これはこれで悪くない選択肢でしょう。
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新型セレナは"買い"か
結論として新型セレナは、「家族みんなが快適に楽しめるミニバン」というコンセプトが――特にe-POWERは――間違いなく実現されている5ナンバー級ミニバンです。さらに加えて「内外装デザインのセンスの良さ」という美点をも持ち合わせています。
激戦区ゆえにライバルが多いため、最終的に新型セレナを選択することになるかどうかは人それぞれでしょう。しかし、もしもこのクラスのミニバンを探しているのであれば、絶対に「検討すべき存在のひとつ」に入れておくべきミニバンです。
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みんなのコメント
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2022/11/28 18:49何か癖のあるデザインになってしまったね。
Aピラー周りの横から見たデザインがマツダのビアンテとそっくりだし。-
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2022/11/28 18:22グリルになじませたヘッドライトのデザインが秀逸。
ノアヴォクのようにウルサく威圧的ではないし、だからと言ってステップワゴンのようにのっぺりでもない。-
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2022/11/28 22:58マイナーチェンジにお金掛けたのか?
フロント、リアを変えて、内装のインパネ周りを新しくしました。的な感じがして古臭い感じが残ってて、残念。
もう少し、新しさが欲しかったかなぁ。
横から見たら、何も変わってないのが特に残念。
ガラッと変えて欲しかったです。
エルグランドもこんな感じなんだろうなぁ。-
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