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- 隅々までこだわった「軽の中の軽」
ダイハツ ミライース 「隅々までこだわった「軽の中の軽」」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- まるも 亜希子(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
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4
- デザイン
- 4
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 3
- 燃費
- 5
- 価格
- 5
隅々までこだわった「軽の中の軽」
2022.7.24
- 年式
- 2017年5月〜モデル
- 総評
- ダイハツの原点であり、「軽の中の軽」を目指して開発された現行ミライースは、外からは見えないパーツの1つ1つにこだわり、ベーシックカーから良くしようという意気込みが感じられるモデルです。また、運転ポジションではステアリング取り付け角度を+20.2㎜、アクセルペダル取り付け角度を-12.7㎜と調整し、体格に合わせた最適なポジションがとれるように改良。より運転しやすさもアップし、ビギナーにもおすすめできるクルマになっています。
- 満足している点
- 開発段階での従来では考えられないほどのこだわり。例えば、ムーヴから導入しているDモノコックを採用したボディでは、生産過程での作業がしやすいように空けられていた穴を、工場に掛け合って1つずつ埋めていくことで騒音・振動を改善。埋めた穴の総面積は全体の約15%にのぼります。また、部品点数の軽減や品質向上のために、パーツ生産をサプライヤーに任せるのではなく自社九州工場で行い、座り心地やホールド性を考慮した軽量骨格シートを新開発。ステアリングもグリップ径を太くし、握り部分に手触りの良い革シボを新設計するなど、感心しきりです。
- 不満な点
- インテリアのデザインや質感に感心したG“SAⅢ”から、X“SAⅢ”に乗り換えて「アレッ?」と違和感を覚えました。G“SAⅢ”はオートエアコンやプッシュスタートボタン、前席シートヒーターも標準装備。それがX“SAⅢ”はマニュアルエアコンになり、エンジンスタートもキーを差し込んで回すタイプ。シートヒーターのスイッチは埋め込まれてなくなり、なんだか一気に時代をさかのぼった気がしてしまいました。それほどに、グレード差が大きいです。
- デザイン
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4
- 親しみやすさはそのままに、フロントマスクやリアビューなどに上質感がアップした印象を受けるデザイン。現行モデルでは唯一、「セダンタイプ」と呼べるような、少しフォーマル感が残っているところも希少です。ただ、アルトが新たなトレンドを感じさせるのに対して、どこか保守的で遊び心には欠けると感じます。
- 走行性能
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5
- 大人4人フル乗車の状態で、発進でアクセルを踏み込む瞬間、重さによる抵抗を感じることを覚悟していたのに、拍子抜けするほど軽やかな反応にビックリ。路面の凹凸を乗り越える際のガタピシ感がなく、道路へ出るための減速でも重量の影響による前のめり感はまったくありません。交差点でのステアフィールは軽い中にもしっかりとした手応えがあり、ボディが外側に振られるようなこともなく、とてもキビキビと走ってくれます。途中、上り坂に差し掛かるとさすがに失速感を感じてアクセルを踏み足しましたが、その際の唸り音は小さく、加速までの反応も早いことに感心。先代と比べてアクセル半開での発進加速は0〜5秒で約3m多く進み、アクセル全開での追い越し加速は40km/h〜80km/hが10.4秒から9.8秒に短縮したというだけのことはあります。
- 乗り心地
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5
- グレードによって差があるため、上級グレードのG“SAⅢ”での評価です。運転席では路面をしっかりと捉える安定感と、どんなシーンでもボディ全体が一体となって走れるカッチリとした剛性を実感。後席に乗り換えると、路面によって多少のゴツゴツ感はあるものの、カーブで身体がズリズリと動くようなことがなく、落ち着いて座っていられる安心感がありました。足元や頭上のスペースもゆったりしており、ノイズも小さくて前席との会話がしやすい静かさです。
- 積載性
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3
- 4人乗車時の荷室は必要十分といったところで、大きなスーツケースなどは積むのが難しいですが、スペースがきっちり四角く取られているので、効率よく積みやすくなっています。後席は一体式で倒せるようになっており、少し傾斜がつきます。トレイやフックなど、細々したものの収納も揃っていて便利です。
- 燃費
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5
- 東京から京都までのロングドライブをして、実用燃費の良さを実際に確認しました。最高気温5度という燃費には厳しい条件のもと、静岡県の沼津までは一般道を走り、険しい山道が続く箱根も通過。それでも一般道全体で29.9km/Lという燃費を叩き出したのには、本当に驚きました。高速道路全体では、試乗したグレードのJC08モード燃費とほぼ変わらない、32.2km/Lをマーク。これといって特別にエコランらしいこともせず、大人2人乗車でこの燃費は立派だと思います。
- 価格
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5
- 下は86台から、上は124台まで、まさにピンキリという言葉が当てはまるグレード構成ですが、乗用として使うならG”SAⅢ“かGリミテッド”SAⅢ”をオススメします。というのも、ベーシックグレードと上級グレードでは、使っているパーツなどがけっこう異なるため、乗り味も装備も別物と言っていいほど。ただ、装備などは割り切って、燃費の良さを重視するなら、ベーシックグレードでもいいと思います。
- まるも 亜希子
- 自動車ジャーナリスト
- 映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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- 新車価格(税込)
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86.0 〜 137.3
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- 中古車本体価格
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1.0 〜 149.8
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