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- 4兄弟随一のスポーツ性能を誇示する特異モデル
トヨタ クラウン(スポーツ) 「4兄弟随一のスポーツ性能を誇示する特異モデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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3
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 3
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 3
4兄弟随一のスポーツ性能を誇示する特異モデル
2024.1.29
- 年式
- 2023年10月〜モデル
- 総評
- 「クロスオーバー」を原点にして誕生した新生クラウン。このうち走行性能を高めたモデルとして「スポーツ」をデビューさせた。搭載するパワーユニットは直列4気筒2.5Lのハイブリッド(システム出力234ps)と、同PHEV(システム出力306ps)の2タイプで、いずれも後輪に独立型モーターを持つE-Four(4輪駆動)とした。
- 満足している点
- なんといってもグラマラスな外観だ。とてもふくよかで、どこから見ても抑揚が感じられるデザインでまとめられた。加えて乗り味もクラウン4兄弟のなかでとびきりスポーツ走行に向いた設定で、複数のバリエーションをそろえる意味が高められた。先にクロスオーバーに搭載されていた後輪操舵機能「DRS」はスポーツ専用のセッティングが施され、大柄なボディを意識させることなく俊敏に走らせる。
- 不満な点
- 外観とは裏腹に落ち着いた内装が残念だ。シックで大人の表現方法なのだとは思うものの、4兄弟共通のイメージにより、せっかくの躍動感ある外観とのマッチング度合いが弱い。PHEVは赤色の加飾や専用ブレーキシステムで華やかさや制動性能を高めているが、それでも地味な印象。また、乗り心地もやや硬めだ。納得できるのであれば不満を抱かないが、市街地走行などではもう少ししなやかさがほしくなる。
- デザイン
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5
- スポーツを担当したデザイナーは「なんとしても、このデザインを成し遂げたかった」というが、人を魅了する説得力の高いデザインだ。個人的にすばらしいなと感じているのは、抑揚あるデザインながら、運転席からの視界がほとんど妨げられていないこと。アグレッシブなデザインではとかく死角になりやすい左後方の視界も良好だし、前方向の見切りも良い。これに呼応するインテリアデザインがあれば最高だった。
- 走行性能
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3
- 試乗は直列4気筒2.5Lハイブリッドシステムに後輪独立モーター式のE-Fourモデル。クラウンシリーズだけでなくトヨタ/レクサスなどで使われているマルチな性能を持つパワートレーンだ。日常走行では十分すぎる加速性能に、18km/L前後の実用燃費を両立する。アクセル操作に対して従順な加減速特性ながら、実用性重視の特性なので物足りなさを感じる場面もあるか……。本命はPHEVモデルだと思われる。
- 乗り心地
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4
- スポーツ走行を考えれば5点としたい。後輪操舵のDRSも積極的に働くので、乗り味としてもすっきりとしている。60km/hまでは前輪とは逆に後輪が操舵される逆位相モードとなるため取り回しが良くなる(最小回転半径は小型車並の5.4m)だけでなく、余分な車体の動きがなくなるのでシャキッとした乗り味になる。反面、しなやかさには欠ける。とくに荒れた路面での後席は突き上げが強めだ。
- 積載性
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3
- 後席を使用した状態でのラゲッジルーム容量は397Lとボディサイズを考えれば少ない。前後長にしても959mmとやや物足りない。ゴルフバックは後席利用時に1つ、後席を倒した状態で4つ積載可能だ。ただ最大幅は1439mmあるので積み込み方に工夫を凝らせばある程度の荷物が積める。もっとも、スポーツはデザイン重視のためラゲッジルーム容量が少ない。積載重視であれば、このあと登場するエステートをおすすめする。
- 燃費
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4
- 2.5Lのハイブリッドの市街地走行における実用燃費は18km/Lあたりで、これが都市高速道路をスムースに走らせると20km/Lを越える。2.5LのPHEVモデルは未試乗ながら、より動力性能を向上させた特性を与えつつ、カタログ上のWLTC値は通常のハイブリッドの21.3km/Lに対して20.3km/Lと落ち幅が少ない。世界に誇るハイブリッドシステムTHS-Ⅱのおかげで燃費数値は極めて良好だ。
- 価格
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3
- 執筆時点の車両価格は590万〜765。高額ではあるものの、クラウンという性格を考えれば納得できる価格帯だ。装備にしても必要十分な機能はすべて装備されるから価格とのバランスも取れている。もっとも、スポーツモデルとしての位置付けなので、快適装備を少し落として、そのぶん買い得感を高めたグレードもほしい。納車が落ち着いたら、そういったグレードも用意されそうだ。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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590.0 〜 765.0
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- 中古車本体価格
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510.0 〜 795.0
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