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SHARE雨の日は2メートル早くブレーキをかけよう!
思ったよりブレーキが効かないのはナゼ?
仕方なく雨の日にバイクで走っていて、不安に感じるコトはいくつもありますが「思ったよりブレーキが効かない」こともそのひとつです。もちろん路面が濡れていてタイヤが滑りやすいので、晴れた日と同じように強くブレーキをかけるライダーは少ないと思います。
【画像】ドキドキ!! 雨の日のブレーキングの画像をもっと見る(19枚)
晴天時よりソ~っとかけているとはいえ、思った以上にブレーキが効かなくて、慌ててレバーを強く握ったら突然ガツンと強く効いてしまい、それこそタイヤがスリップするかと思ってドキドキした、という経験はないでしょうか?
バイクが減速するために主体となるのは、車種にもよりますが基本的にはフロントブレーキです。そして近年のバイクは原付1種のスクーターを除けば、ほとんどの車両が前輪にディスクブレーキを装備しており、十分以上に強力な制動力を持っています。
にもかかわらず、雨天時にブレーキの効きが悪く感じるのはナゼでしょう?
もちろん濡れた路面とタイヤのグリップ力が下っているのも原因のひとつではありますが、レースのようなハイスピードならともかく、慎重にゆっくり走っている速度域なら、さほどブレーキの効きに大きな影響はありません。
じつは、ブレーキの効きが悪くなるのは「ディスクローターが濡れている」ことが最大の原因です。そう言われれば当たり前のようにも感じますが……。
油圧式のディスクブレーキは、ブレーキレバーを握ってマスタシリンダーで発生した油圧がブレーキキャリパーのピストンを押し出し、ブレーキパッドをディスクローターに押し付けた摩擦力によってホイール(=タイヤ)の回転を止める仕組みになっています。
雨天時は走行中に雨粒や路面から巻き上げた水がディスクローターに付着します。そしてディスクローター全体がベッタリ濡れると「水の膜」となり、ブレーキレバーを握ってブレーキパッドを押し付けても摩擦力が発生しない状態になってしまうのです。
ディスクの「水の膜」を掻き落とせば問題ナシ!
ディスクローターが濡れて「水の膜」ができた状態は、ブレーキの効きが悪い……というよりも、ほとんどブレーキが効きません。
しかしブレーキレバーを握ってブレーキパッドが押し付けられた状態でタイヤが回転すると、ブレーキパッドが水の膜を掻き落としていきます。そしてタイヤが1回転すれば水の膜がほとんどなくなるため、ここから実際にブレーキが効き始めるのです。
前述したように、「ブレーキをかけたけど効かない」→「慌ててブレーキレバーを強く握る」という操作をすると、その時にタイヤが1回転していたら思った以上にガツンと強くブレーキが効いてしまうので、コレはけっこう危険です。
それを避けるには、いつもより(晴天時より)タイヤ1回転分早くブレーキをかけ始めて、あらかじめディスクローターの水滴(水の膜)を掻き落とすことが得策です。そうすれば、その後は普段とほぼ同じようにブレーキが効くワケです。
とはいえ、走行中にタイヤの回転を数えることはできません。そこでタイヤ1回転を走行距離に置き換えると「おおむね2メートル」と考えれば大丈夫です。
排気量の大小に関わらず、ロードスポーツ車は前輪が17インチのモデルが多く、タイヤの外径はおおむね600mm弱です。するとタイヤの外周、すなわち前輪1回転で走る距離は600mm×3.14(周率)=1884mmなので、余裕を見て「おおむね2メートル」と覚えておけば良いでしょう。
もちろん前輪のサイズによって1回転の走行距離は変わります。たとえばオフロードモデルのホンダ「CRF250ラリー」は21インチなので1回転で約2177mm、また「モンキー125」は12インチで1回転約1485mmですが、ここで厳密な距離にこだわる必要はありません。
ちなみに、速度40km/hだと2メートル走るのに要する時間はわずか0.18秒です。なので雨の日はブレーキのかけ始めのホンの一瞬はブレーキがほとんど効かないけれど、約2メートル早くブレーキをかけ始めれば、その後は普通にブレーキが効くということを知っておきましょう。
これで、ドキッとする要因をひとつ減らすコトができます。
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