「コンフォート」は、トヨタが生産するセダン型の商用車として誕生しました。1995年に、タクシー車や自動車教習所での教習車としての使用を想定して作られています。長距離運転の使用を予想して疲れにくく、約40万km以上の走行にも耐える耐久性を備えており、運転しやすいのが特徴です。そんな「コンフォート」のグレードには、「スタンダード」「デラックスパッケージ」「SG」の3種類が設定されました。スタンダードはタクシー車に、デラックスパッケージは教習車に主に使用されています。SGはタコメーターや集中ドアロックなど、一般自家用車の装備が標準装備されているため、普段使いの自家用車としての利用が可能です。基本的に「コンフォート」は一般自家用車というよりは、タクシーや教習車としての使用目的が多いので、必要最低限の装備しか搭載していません。そのため、自家用車として使用したいのならば、必要と思うオプションは自分で考えて搭載する必要があります。さらに、インテリアも飾り気のないシンプルな装備が特徴ですが、座席には厚みのあるクッションが採用されているので、長距離運転でも疲れることはありません。シートには、運転手の腰あたりの背もたれの調整が可能なランバーサポート機能を搭載。これにより、腰痛になりにくい設計となっています。2003年にはおよそ半年間という期間限定の受注生産で、「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」というグレードが関東エリアのみで登場し、販売されました。教習車グレードであるデラックスパッケージをベースに開発しており、このグレードは全60台が生産されています。2009年には一時的に生産を休止していますが、およそ2年後の2011年に生産再開。このとき一部改良を施しており、「コンフォート」全車にプラズマクラスターを搭載しています。さらに、後部座席の中央に3点式シートベルト、同じく後部座席の左右にはチャイルドシート固定専用バーなどを標準装備させました。2013年に行われた一部改良でも、横滑り制御機能やタイヤ空転抑制機能などの路面状況が悪いときの走行にも対応できる安全装備を強化させています。しかし、2017年には「コンフォート」の生産が終了に。このとき、姉妹車として設定されていたクラウンセダンとクラウンコンフォートも、同時に姿を消しています。その後、後継車として、小型トールワゴンのジャパンタクシーをタクシー車に、2代目のカローラアクシオを教習車にして発売しました。日本ではその姿を消しつつある「コンフォート」ですが、後継車として誕生したジャパンタクシーが香港やマカオなどの一部地域では「コンフォート」という車名を引き継ぎ、販売されています。※記載の文章は、2021年8月時点の情報です。