Kakaku |
『軽量化と新技術で滑らかな走りと低燃費を実現』 スズキ ワゴンR 2012年モデル 松下宏さんのレビュー・評価
ワゴンR 2012年モデル
361
ワゴンRの新車
新車価格: 107〜150 万円 2012年9月6日発売〜2017年1月販売終了
中古車価格: 12〜130 万円 (2,237物件) ワゴンR 2012年モデルの中古車を見る
自動車(本体) > スズキ > ワゴンR 2012年モデル
プロフィール1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負するとともに、安全性の追求についても一家言を持つ。クルマ雑誌各誌…続きを読む
2012年10月31日 21:43 [543957-1]
満足度 | 4 |
---|
エクステリア | 3 |
---|---|
インテリア | 4 |
エンジン性能 | 4 |
走行性能 | 3 |
乗り心地 | 3 |
燃費 | 4 |
価格 | 4 |
※プロフェッショナルレビューは「投票平均」(「満足度」含む)および「カテゴリ平均」の集計には含まれません。
軽自動車の定番商品であるワゴンRは、2012年9月にフルモデルチェンジを実施し、5代目モデルが登場した。これまで5年ごとだったフルモデルチェンジ期間を4年に繰り上げて実施しただけでなく、大幅な軽量化や新機構・新技術を採用して低燃費を実現するなど、意欲的なクルマに仕上げられている。
スズキが9月に浦安のホテルオークラ東京ベイをベースに、また10月には東京のホテルニューオータニをベースに開催したメディア関係者向け試乗会に出席し、異なるシチュエーションで広報車両のFXリミテッドに試乗した。
今回のワゴンRはひと目見ただけでは新しいモデルなのかどうかが分からない。デザイナーは本当に仕事をしたのだろうかと思うくらいにキープコンセプトの外観デザインを採用した。良く見れば分かるとは言うものの、新旧モデルを見分けるのは、間違い探しのパズルでも解くかのようだ。
外観に比べるとインテリアデザインはそれなりの変更感があり、開放感を演出するとともに温かみを感じさせている。FXリミテッドは本革巻きステアリングホイールやシルバーの加飾などによって質感の高さも表現した。
基本パッケージングは従来のモデルと変わらず、大きく開くドアによる乗降性の良さや後席空間の広さなど、これまでのワゴンRが持つ長所はしっかり継承している。
走りはとても良くなった印象だ。アクセルを軽く踏んで走り出すと、実に滑らかな走りを見せる。アクセルを踏みすぎる必要もなくスムーズに走れるのは、ボディが軽くなったことが大きいのだろう。結果としてエンジンの回転数が低く抑えられるので、静かな走りも得られる。
ボディ各部の軽量化は、振動や騒音の面では不利になる要素なのだが、遮音材や制振材の効率的な配置によって振動・騒音性能も軽自動車として上々のレベルにある。アクセルを踏み込んで加速していくときにはそれなりに騒音レベルが高まるが、日常ユースの範囲内では文句のないクルマである。
操縦安定性については、文句というほどではないが注文を付けたい。従来のモデルではFXに設定がなく、FXリミテッドには標準装備されていたフロントのスタビライザーが、今回のモデルではともに設定なしになってしまったからだ。
これによって直ちに操縦安定性のレベルが大きく下がるというほどではないし、そこそこまとまった感じの足回りではあるのだが、スタビライザーが装備されていればさらに良くなったであろうことは容易に想像される。
ワゴンRスティングレーには、ターボ車だけでなく自然吸気エンジンの搭載車にもスタビライザーが装着されているのだから、ワゴンRにも装着して欲しいところだ。
燃費を考慮してエコ性能を追求したタイヤが装着されていて、空気圧もけっこう高いのに、その割にはゴツゴツ感のない走りになっていた。このあたりはうまくチューニングしたと思う。
今回のワゴンRには減速中に時速13kmにまで速度が落ちるとエンジンが停止する新しいアイドリングストップ機構が採用された。普通に停車しようとすると、停車する寸前にエンジンが止まる感じだ。
走行中にエンジンが止まる方式は、すでにスマートやミライースなども採用されている。ワゴンRではエンジンを止める速度がより高くなった。アイドリングストップ機構は止める時間が長ければ長いほど燃費が良くなる方向に向かうから、これは基本的に良い仕様だ。
ただ、状況によっては不満が生じるシーンもある。信号待ちで停車しようとしたとき、じんわりと停車しようとすると、13km以下に落ちたときにまずエンジンが停止する。そこで完全に停止するときのショックを小さくしようとしてブレーキを緩めると、エンジンが再始動してしまうことがある。
そのまま停止すると再びエンジンが止まり、すぐに信号が変わるとまた再始動して走り出すことになり、ちょっとわずらわしく感じられた。再始動のときの振動や騒音も軽自動車としてはまずまずだが、もっと良いクルマもたくさんある。
渋滞などで停止と発進を繰り返すようなときには、スイッチでアイドリングストップ機構をカットすることができるので、わずらわしい場合にはそうしたら良い。
このほか、主に減速時にエネルギー回生による発電をして、それをリチウムイオン電池に貯めて必要なときに使うエネチャージや、蓄冷体を凍らせることでアイドリングストップ時間を延長するエコクールなど、いろいろな新技術がワゴンRに採用されている。
その結果としてFF車で28.8km/Lの低燃費を実現したのはすごい。27.8km/Lにとどまる4WD車を含めて全車がエコカー減税で免税の対象になっている。
このように走りや装備、仕様などが大きく向上した割に、新型ワゴンRの価格は競争力のある水準に抑えられた。けっこう魅力的なクルマである。あえてもうひとつ注文を付けるなら、ホンダのN BOXと同じように、全車に横滑り防止装置のESPを標準装備して欲しいところだった。
参考になった8人
「ワゴンR 2012年モデル」の新着レビュー
レビュータイトル | 満足度 | 投稿日時 |
---|---|---|
本来はこのクラスの基準となるクルマです。 | 4 | 2024年4月23日 13:52 |
普通 | 3 | 2023年9月13日 06:57 |
最も購入すべきではないクルマ | 1 | 2023年4月17日 13:24 |
やっぱスズキ車 | 3 | 2022年12月30日 20:20 |
代車として借りました。 | 5 | 2018年3月23日 19:19 |
納車後、三年乗った感想 | 4 | 2017年8月30日 14:59 |
先代型ですが | 5 | 2017年8月14日 21:43 |
通勤用の足として使うなら。 | 4 | 2017年1月31日 00:43 |
買いかえです | 4 | 2016年10月5日 20:20 |
運転しやすい車 | 4 | 2016年9月23日 21:34 |
ワゴンRの中古車 (全6モデル/9,771物件)
-
- 支払総額
- 69.0万円
- 車両価格
- 62.0万円
- 諸費用
- 7.0万円
- 年式
- 2017年
- 走行距離
- 7.3万km
この車種とよく比較される車種の中古車
-
10〜198万円
-
6〜190万円
-
9〜178万円
-
7〜315万円
-
10〜150万円
-
13〜249万円
-
11〜227万円
-
19〜279万円
-
18〜184万円