CARVIEW |
新型GR86&BRZプロトタイプ速報! 安定系のBRZvsムズムズ系の86!? MT派も悩む魅力的なATとは?
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治 127
ターボ化や電動化しなかったのは価格の上昇を避けるため
まもなくモデルチェンジするトヨタ「86」、スバル「BRZ」のプロトタイプ試乗会に参加した。クローズドコースでの短時間の試乗だったが、現行モデルとの比較もでき、その正常進化っぷりを体感することができた。うれしいことに価格はほとんど変わらないそうだ。
現行モデル同様、新型もトヨタが企画、デザインし、スバルが開発、生産を担うコラボカーだ。違うのは、トヨタ内に現行の開発時にはなかった「GR」という社内カンパニーができ、トヨタ側の新型を「GR86」として発売することになったこと。今回、クルマがほぼ出来上がりつつあった半年ほど前、GR側からやっぱりこれでは出せないという声が出て、BRZはほぼそのまま、GR側は開発をやり直したという。その結果、両モデルの発売は当初の予定よりも遅れた。BRZはまもなくデビューし、86は秋に登場する。
新型の車体は現行モデルからのキャリーオーバーなので、サイズもほとんど変わらない。現行に対し全長が25mm+の4265m、全幅は変わらず1775mm、全高は10mm下がって1310mm、ホイールベースは5mm+の2575mmという寸法だ。デザイン、走行性能両面の理由からリアトレッドを10mm広げワイドスタンスとなった。
基本骨格を流用しながらも、ディテールをうまく変えており、見た目の印象は結構違う。ロングノーズ、ショートデッキという典型的で伝統的なスポーツカーのシルエットを維持しているが、新型は一見してキャビンが絞り込まれたのがわかる。これによって現行モデルよりも見た目の重心が下がり、カッコよくなったと思う。両車の識別ポイントはフロントグリル。86は台形のメッシュタイプで、BRZはヘキサゴンのフィンタイプ。
まず新型BRZの6MTから試乗開始。新型はエンジンがこれまでの2.0L水平対向自然吸気から、2.4L水平対向自然吸気へとスイッチされた。理由は「モアパワー」の声に対応するため。ただ水平対向エンジンはストロークを伸ばすとダイレクトに幅が増し、前輪の切れ角を確保しにくくなるなどの問題が生じることからボアを拡大して排気量をアップした。
企画の当初には電動化やターボエンジンも検討したというが、“皆が買いやすい価格”という現行以来のモットーによって、コストを抑えたパワーアップを模索した結果、すでに海外市場向けモデルが搭載する2.4Lエンジンをベースに開発された。
走らせてすぐにパワーアップを感じられた。直前に現行BRZのおさらい試乗タイムが用意されていたこともあって、明確に違いを感じることができた。これまでとまるで異なる目覚ましいパワーアップというわけではない。全域でほんのりをトルクの厚みが増したという感じ。許容回転数は7500rpmのままだが、高回転域までスムーズに回るので、7500rpmまできっちりと使いたくなる。補機類の関係でエンジン全体では若干の重量アップだそうだが、ブロック自体は2L版よりもむしろわずかに軽いそうで、燃費も変わらないというからメリットしかない変更だと思う。
現行モデルのエンジンは回転のフィーリングがラフで、ビーンという音と結構な振動をドライバーに響かせてきた。それはネガティブな印象ではなく、ある種のワイルドさを演出し、ドライバーの気分を高める効果があった。新エンジンも同種の音と振動を発するが、振動は若干抑えられ、音はマイルドになって洗練度を増した。
元来86/BRZはパワーをとことん追求すべき存在ではない。他にGRヤリス、GRスープラ、WRX STI(現行型は販売終了したが)をもつブランドが提案する、身近だが乗り手のレベルに応じて懐の深さを見せるべきスポーツカーだ。そのことを考えれば新型のエンジンは合格も合格で、まったく不満がない。もっと言えば従来のエンジンにも不満はなかったが、登場から9年もたっているので乗り換え組も相当多いはず。すでに86/BRZの魅力を知る彼らが乗り換えたくなる部分も必要だ。
-
- 中古車本体価格
-
72.0 〜 847.9
-
- 新車価格(税込)
-
267.2 〜 358.6
みんなのコメント
ログインしてコメントを書く
-
2021/7/18 05:16貴重なFRのスポーツカー。
マニュアルで乗りたい。
どうせ後ろの席は使わないし、何より排気量アップで、
パワーアップしたのがイイ。
問題は価格だな。
一番安いグレード買って、コツコツ仕上げるのが
楽しそう。-
ログインしてコメントを書く
-
-
-
ログインしてコメントを書く
-
-
-
ログインしてコメントを書く
-
査定を依頼する
あなたの愛車、今いくら?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
おすすめのニュース
サイトトップへ-
業界ニュース
2024.05.28
400未満! トヨタ新型「“SUV”ミニバン」発表! 「欲しい」反響多数 タフ顔&高級内装で標準装備モリモリ「イノーバ ハイクロスGX O」印に登場
-
業界ニュース
2024.05.28
まさに日産「スカイラインGT-R」のワゴン版!「ステージア オーテックバージョン260RS」のエンジン載せ替えだけじゃないチューニングとは
-
業界ニュース
2024.05.28
東急と京急、共同で自動運転の実証実験 横浜や川崎で小型バスを無料で運行 6/3まで
-
スポーツ
2024.05.28
アルピーヌ育成のツォロフとミニがモナコで勝利を飾る【正式結果/FIA F3第4戦モンテカルロ】
-
業界ニュース
2024.05.28
トヨタ、パリ大会最後に五輪スポンサー契約終了へ[新聞ウォッチ]
-
業界ニュース
2024.05.28
「自動車税」“うっかり”払い忘れ… 一体どうなる?「5月末の期限」迫る!「延滞金」はかかるのか
-
業界ニュース
2024.05.28
【MotoE第3戦カタルーニャ大会】2人の新ウイナーが誕生。ライダーが感情を揺らしたパルクフェルメの言葉
-
スポーツ
2024.05.28
第108回インディ500決勝レースは悪天候によりディレイ。スタートは日本時間5時44分を予定
-
スポーツ
2024.05.28
【宮田莉朋F2密着】モナコで待ち受けていた不運。収穫を得たスプリントレース/第5戦レビュー前編
-
スポーツ
2024.05.28
【MotoGP】「最悪のケースでも3位だったのに」2戦連続転倒のアコスタ、表彰台確実の大チャンス逃す|MotoGPカタルニアGP
-
業界ニュース
2024.05.28
キャタピラーがCSPI-EXPO 2024に出展…オペレータをリスクの高い作業環境から回避
-
業界ニュース
2024.05.28
トヨタ新型「トヨタ“クロス”」発表へ! “レクサス級”の「斬新フェイス」が超カッコイイ! 丁度いいサイズ感の「コンパクトSUV」ブルネイに近日登場
あわせて読みたい
サイトトップへ-
コラム
2024.5.28
【566から】アウディA4&A5スポーツバックに特別仕様車「マイスターシュトュック」新設定
-
コラム
2024.5.27
【ビンボー臭さゼロ】なVW製新型キャンパーの“デザイナーズ感”。日本メーカーも出してほしい
-
コラム
2024.5.27
【買えないアルヴェル】横目に“500安+6人”で売れるレクサス「LM」が気にする兄弟の動向
-
コラム
2024.5.26
【WRX S4ではありません!?】スバルが公開した謎の4ドアセダンの正体とは?【S耐富士24hレース】
-
コラム
2024.5.26
【マツダが明言】本当だった次期「CX-5」計画! ハイブリッドはTHSのマツダチューン版が濃厚
-
コラム
2024.5.25
キッカケは豊田会長の「走ってみない?」。マッチがS耐でレーサーに復帰したワケ【S耐富士24hレース】
-
コラム
2024.5.25
【199!】大人気プチバン「シエンタ」の最安グレード“ガソリンのX”はアリかナシか?
-
コラム
2024.5.24
近藤真彦参戦、弱点克服、夢のCO2回収装置…今年も水素カローラ進化が止まらない【S耐富士24hレース】
-
コラム
2024.5.24
スズキ ハスラーに新スタイル「タフワイルド」登場! 通常モデルもアップデート&価格上昇も