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- 16代目を大きな変換点としたトヨタのトップモデル
トヨタ クラウン(クロスオーバー) 「16代目を大きな変換点としたトヨタのトップモデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 3
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 4
16代目を大きな変換点としたトヨタのトップモデル
2022.11.28
- 年式
- 2022年7月〜モデル
- 総評
- クラウンはこの先、セダン、エステート、スポーツと3つのボディタイプが加わることがすでに発表されている。パワートレーンにしても、クロスオーバーの2つのハイブリッドシステムに加えて、FCV(燃料電池車)、BEVなど複数の電動パワートレーンを用いる可能性が高い。いずれにしろ、トヨタのフラッグシップモデルが存続し、しかも時代に合わせた電動化が織り込まれることは喜ばしいことだ。内装デザインにしてもこの先、各国のユーザー評価を採り入れていくのではないか。
- 満足している点
- トヨタが想定していた従来までのクラウン・ユーザー層から大きく決別し、若返りを図った16代目。事実、30歳代のオーナーも増えつつあるという。海外市場へと積極的に打って出たのもクロスオーバーのトピックだ。北米市場の反応も好評で、チャレンジングな外観デザインが注目されている。また、クラウンという車名を継承したところも日本の、そして世界の自動車市場を考えた場合に良かったと思う。クラウンの名前が「日本ブランド」として世界へと本格的に羽ばたくことに期待したい。
- 不満な点
- 見る者をハッとさせる外観デザインであること。チャレンジしたことへは最大限の敬意を払いつつも、どこに視点を定めて評価すればよいのか、どの角度から見るとかっこよく、スタイリッシュに見えるのか、未だ自身では消化しきれていない。大径タイヤにしても幅を狭めて空気抵抗を減らし、縦方向の接地面積を増やしてグリップを確保する、その理屈はわかるものの、タイヤは高価で重くなり、乗り味にしても21インチは高剛性ホイールからくる硬さを終始感じてしまう。技術の昇華に期待したい。
- デザイン
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3
- セダンとSUVのクロスオーバーという立ち位置から「クラウン クロスオーバー」を名乗る。SUVはクロスカントリーモデルとセダンの融合だったから、よりセダンライクなSUVとして成り立つのがクラウン クロスオーバーだ。4つのボディバリエーションのトップバッターとなったクロスオーバーは、大径タイヤとシェイプされた前後デザインが強烈に個性をアピールする。大胆な塗り分けの2トーンボディカラーも話題だ。一転、内装デザインは新しさこそ感じるものの外観ほどのチャレンジはない。
- 走行性能
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4
- 2.5LのTHS-Ⅱのハイブリッドシステム。これは1997年から続く「プリウス」から継承されてきたシステムだ。加えて、クロスオーバーでは2.4Lターボに6速ATを組み合わせた「デュアルブーストハイブリッドシステム」を用意する。2.5Lと2.4L、2つのハイブリッドの走行性能はまるで異なる。2.5Lは従来通りの優れた燃費性能と人に寄り添う加速性能。一方の2.4Lターボはガツンとくる、第一級のスポーツモデルに肩を並べる加速性能を誇る。ともに後輪モーターを備える4WD方式だ。
- 乗り心地
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3
- 走行性能同様、2.5Lと2.4Lで大きく異なる。わかりやすくこれまでのクラウン像をもっているのは2.5Lの19インチタイヤ仕様。荒れた路面でもスッといなしながら車体はフラットに保つ。ボディの上下動をサスペンションとシートで徹底的にいなしながら身体にはそれを伝えない。2.4Lの21インチタイヤ仕様はすばらしいコーナリング性能だ。後輪操舵のDRSは共に備わるが、2.4Lはより曲がる設定。乗り味も当然、引き締められている。後席も空間こそ広いが2.4Lはややハードな印象を受ける。
- 積載性
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3
- 後席は4:2:4の分割リクライニングタイプで、中央の2に相当する部分にトランクスルー機構を備える。トランクルームの容量は450Lとクラス平均の値だが、アーム類の張り出しやすいマルチリンク式リヤサスペンションを採用しているも関わらず広く、収納しやすい。トランクルームは独立型で足をバンパー下部に入れるとリッドの開閉ができるハンズフリーパワートランクリッドをグレード別装備として備える。
- 燃費
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4
- 2.5Lの高速道路燃費は実走行で23.0km/L以上、一般道路でも21.0km/L以上だった。普通に運転しただけで誰でも達成できる値だ。2.4Lターボでの高速道路燃費で17km/L、一般道路では13.0km/Lだった。優秀な燃費数値を誇るトヨタのHVではにわかに信じられないかもしれないが、その分、2.4Lは全車速域でパワフルな走りをみせる。テストコース内のワインディングロードでは6㎞/L台まで落ち込むが、それこそ「スープラ」をも追い回せるほどの勢いがある。
- 価格
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4
- ベースモデルである「X」モデルは4,350,000だ。新設計のボディと足回り、そして大幅に改良を加えた2.5Lハイブリッドシステムを考慮すれば適正価格に思える。後輪には独立したモーターを備える4WD方式でこの価格だから先代モデルよりもリーズナブルだ。2.4Lターボのボトムグレード「RS」は6,050,000。こちらも、新設計のハイブリッドシステム、強化した後輪モーター駆動を考えれば納得の価格。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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440.0 〜 685.0
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- 中古車本体価格
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115.0 〜 880.0
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