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カローラフィールダーはトヨタのCセグメントステーションワゴン。
その名の通りカローラセダンまたはカローラアクシオをベースとし、かつての「カローラツーリングワゴン」「スプリンターカリブ」を統合した車種である。

■ 初代 E120系
2000年、9代目カローラのワゴンとして初代フィールダーが発売。
リアが先代のストラットからトーションビーム式になり荷室空間を拡大。エンジンは新世代コンパクト系の1NZ-FE 1500cc 直4 DOHCをメインに据えた。上級グレードには新たに1800ccエンジンも設定され、車体の大型化と静粛性の向上等でひとクラス上の上質感を手に入れた。また先代より受け継いだ2200ccディーゼルエンジンも引き続き設定されている。

スポーツグレードの「Zエアロツアラー」（ZZE123G型）はセリカと共通の直4 1.8リッター オールアルミ製DOHC VVTL-iつきのスポーツツインカムエンジン、2ZZ-GE型を搭載。
このエンジンのヘッド周りはヤマハの設計によるもので最高出力190psを発生、6MTの設定された硬派なスポーツワゴンである。 素の「Z」グレードは設定されず、代わりにエアロパーツのレスオプションが選択出来た。
この2ZZ-GEエンジンはのちにロータスに供給されエリーゼに搭載された。カローラシリーズではランクスとアレックスにも積まれ、一方セダンには積まれなかった。

2002年、アレックス、ランクスとともに特装車として「TRD Sports M」が追加設定。「Zエアロツアラー」をベースとし、15psアップの205ps。足回りも固められサーキットで遊べるスポーツワゴンに仕上がっている。この「史上最速のカローラ」のTRD Sports Mだが台数はそれなりに売れ、また貴重なものとして残されているためか中古車市場で見つけることはそれほど困難ではない。

この代のカローラの派生車種としては前出のセダン、ハッチバックのアレックス、ランクスのほかWill VSがある。

■ 二代目 E140G系
2006年、カローラシリーズとして10代目、初代カローラアクシオのワゴンとして二代目フィールダーがデビュー。
カローラが国内向け以外は3ナンバーサイズを前提としたプラットフォームに移行したのに伴い国内向けカローラのプラットフォームは先代のキャリーオーバーとなる。全長は先代に比べ35mm延長され、全幅は元々小型車枠いっぱいであったため不変。基本的に国内専用車だが後にニュージーランドにのみ輸出された。

1500ccモデルのエンジンは基本的に先代のものを継承しており、1800ccは新開発2ZR-FE型となり、燃費を重視しているためか出力は136psにとどまった。2010年からは1800ccモデルの2ZR-FE型にバルブマチックが付加され2ZR-FAE型になった。これに伴い燃費が向上している。なお先代には存在した2ZZ-GE型エンジン搭載のスポーツモデルは廃止されている。

先代モデルの時代であった2002年、カローラはそれまで33年間守ってきた年間販売台数首位をホンダ・フィットに明け渡している。この二代目のモデルライフの途中の2011年にはカローラの販売台数はプリウスに抜かれることになる。
これはセダンこそが普遍的な乗用車とされてきた時代の終焉を象徴したものであり、二代目フィールダーはそんな時代に生まれてきた。
そのためか、これまではセダンをデザインしてからワゴン化という手順で開発されてきた関係が二代目フィールダーでは逆転する。まずフィールダーをデザインし、それをベースにセダンモデルが作られたのだ。これはフィールダーのユーザーにとっては少し嬉しい事実で、事実この二代目フィールダーは今までにない伸びやかなスタイルを獲得している。

2008年、特装車「Sports M」がアクシオとフィールダーに設定された。しかし2ZZ-GEエンジンは今回は積まれておらず、実用エンジンである2ZR-FEにマフラーやECUの変更を加え8ps上乗せの144psとなっている。
トランスミッションもCVTのみで、先代とは少し毛色の違うスポーティー味付けのモデルだ。ECUとマフラーのほか、「Sports M」の専用装備はスポーツサスペンションとエンブレムである。
このTRD Sports Mは2010年のマイナーチェンジでラインナップから落とされた。
「Sports M」と入れ替わりに「カローラフィールダー“GT”TRDターボ」を設定。これは1500ccの1NZ-FE型エンジンにTRDによるターボチューンを加えたもので、トランスミッションは先代の「Zエアロツアラー」にあったような6速ではなく5MT。
150psという最大出力自体も従来からのカローラファンにとっては少し物足りない数字だが、低回転からトルクがあり、快速ワゴンとして成立している。1NZ-FEのコンロッドは170ps付近までパワーを上げると折れてしまうことも多いため、メーカーとして保証出来るのはこの辺りのパワーが妥当と言えるかもしれない。

■ 三代目 E160G系
2012年、カローラシリーズとして11代目、二代目カローラアクシオのワゴンとして三代目フィールダーがデビュー。
引き続き国内向けを別のボディシェルで作って行くため、古くなった先々代からのプラットフォームを捨て去り、新たにヴィッツ系のBプラットフォームを利用して作られた。
そのためカローラの歴史上、初めてモデルチェンジでボディサイズが縮小され、全長ではマイナス60mmとなった。それ以上にフロントノーズは短縮、Aピラー位置は車両前端に対して100㎜後退され、キャビンは40mm延長されている。その延長分は後席足元スペースの拡大にそのまま充てられている。

2013年8月、ハイブリッドモデル（NKE165G型）が追加される。セダンのアクシオにもハイブリッドは追加されており、トヨタのフルラインナップハイブリッド化政策の一環である。
制御系も含めアクアのハイブリッドシステムそのもので、アクアに対して多少の車重アップがあるもののプラットフォームまで共通の、殆ど同一の車であるため動力性能は十分以上だ。
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