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『進化を探せ』 スズキ ハスラー 2020年モデル ヒラミーさんのレビュー・評価
自動車(本体) > スズキ > ハスラー 2020年モデル > HYBRID G
2022年10月22日 00:44 [1635380-1]
満足度 | 2 |
---|
エクステリア | 4 |
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インテリア | 3 |
エンジン性能 | 3 |
走行性能 | 2 |
乗り心地 | 2 |
燃費 | 無評価 |
価格 | 3 |
先日、久し振りにハスラーに乗ってきました。以前乗ったマイナーチェンジ前のモデルははっきり言って散々だったので、今回マイナーチェンジしてどこが進化したのかを見てみました。
タイムズカーシェアでお借りしました。走行距離17000kmの比較的新しい個体でした。
【エクステリア】
やはりこの個性的な見た目は可愛らしい。コンセプトは変えない中にもちょっとした「味変」的な小変更を加えてきたのも○。
【インテリア】
ここはあまり変わっていない印象だが、寂しかったメーターの情報が少し多くなっていた。エアコンの操作系もスイッチが横一列に並ぶように変わり、トヨタのオートエアコンに似たようなものになったが、少し分かりにくいかな。
シートだが、これは改善して欲しい。全体的にへなっとしているし、特に背中から腰にかけてのサポートが弱いし、サイドサポートもないのでホールド性もないときてる。街乗り専用と割り切るにも少ししんどいかもしれない。
ステアリングやウィンカー、ペダルなどの操作系は自然で良い。インパネのシフトレバーもダイハツのものより節度感がある。
【エンジン性能】
一言で言ってしまえばこんなもんかなという感じ。しかし、ほかのエンジンとの違いはある。
パワー、トルクという面では閉口せざるを得ないが、エンジンの音や振動という面では、ホンダには及ばないがダイハツよりは良い。アイドリングストップからのリスタートなどでの静粛性は、同クラスはおろかリッターカーよりも上だ。走行中も低回転においては回っていることをあまり感じさせないような静粛性がある。この感じは以前のモデルにはなかったので、進化した点と言える。
【走行性能】
エンジンは進化しているのにこちらは全くと言っていいほど進化がない。
ボディは恐らくベースが変わっていないのだろうか、相変わらず剛性のなさがみえる。これはダイハツ車と同等かそれより酷いかもしれない。
サスペンションも剛性がなく、クルマが突っ立っているような感覚を覚える。車高の高さに合わせたのだろうか、やたらストロークの大きいスプリングだったり、柔らか過ぎるブッシュ、吸収の悪いショックアブソーバーだったりと、全てが走行性能にマイナスに働いてしまっている。
また、リヤスタビライザーはトーションビームサスによってその役割を果たしているはずだが、そのトーションバーの剛性が特にねじり方向に低いと思われる。そのせいでリヤサスがスタビの役割を果たしていない為、フロント以上にリヤのロールが激しい。また、発進、停止などにおける前後方向のピッチングも大きい。
また、タイヤも相変わらず細いので、接地感やグリップ感にも乏しく、ステアリングの反力は適度にあってもインフォメーションはまるで入ってこなかった。
ブレーキも効かない。ブレーキバランスはフロントにばっかり振ってるし、リヤブレーキは見た目にも分かるキャパの小ささ。いざブレーキをかけた時になかなか止まらないので正直怖い。
正直、いいと思ったのは小回りだけ。同じスイフトを造っているメーカーとは思えない性能の低さに驚いてしまった。
【乗り心地】
これも全く進化していない。街中の比較的フラットな路面でも継ぎ目などを越える際にはかなりゴツゴツしており、サスが吸収してくれないので凹凸などはモロに伝わる。この辺りはホイールひとつ変えるだけでもバネ下重量が軽くなることで変わってくると思う。あとはシートも改善してくれるとそれでも変わると思う。
【燃費】
今回は短距離で燃費を計っていなかったので無評価。
【価格】
一見安いが、個人的には中身を鑑みると高いと思う。今後、これは価格を下げるのではなく、価格に見合った質感に改善していくべきだと思う。
【総評】
今回は6年振りのモデルチェンジということで進化に期待したのだが、フタを開けてみると何ともコメントの難しいものだった。個性的で可愛らしく愛嬌のある見た目とは裏腹に性能面の安物感がただならず、6年前から何も進化していないなと思ってしまった。このクルマは一言で斬ってしまうなら、いわば「ハリボテ」だ。
では、ハスラーはどう進化すべきだったのか。僕個人的には、理想的な軽自動車とはホンダN-BOXだ。リッターカーを凌駕するようなボディのしっかり感、不快な音や振動が少ない上質なエンジン、凹凸をしなやかに吸収してインフォメーションを的確に伝えながらも乗り良いサスペンション…。同じクラスながらまるきり別物と言えるあのクルマに一歩でも近づくような何かが一つ欲しかった気がする。それはボディでもいい、エンジンでもいい、サスでもいい。
やはりモデルチェンジという以上は以前のモデルより何か進化していて然るべきだと思う。それがなかったのは残念だ。それは、技術としてあの小さなボディの中での進化の余地がなかったのか、それとも進化しようという志がなかったのか。僕は前者であることを祈りたい。スイフトやジムニーといったクルマをつくれるスズキだ。次はきっとやってくれるはず。その進化を待ちたい。
- レビュー対象車
- 試乗
参考になった42人
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