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キビキビ感が楽しい! ヤリスクロス「GRスポーツ」に乗ってわかったノーマルとの違い
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹 14
ヤリスクロスGRスポーツを試す
――大人気のコンパクトSUV「ヤリスクロス」に追加された「GRスポーツ」に、自動車ジャーナリストの塩見智氏が試乗。モータースポーツの知見を取り入れたその走りをチェックする。
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GRスポーツとは?
GRはガズーレーシング(GAZOO Racing)の略で、トヨタのモータースポーツ部門を指す。そのGRがモータースポーツ活動を通じて得たノウハウを取り入れた市販車にその名が与えられる。
GRは2段階あって、サーキット走行も想定し、開発段階からモータースポーツ由来の専用パーツや専用設計をしっかり盛り込んだモデルには「GR86」や「GRスープラ」など、「GR~」という車名が与えられる。
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そこまでではないけれど、ほどよく知見を盛り込み、一般道走行を想定し、スポーティなルックスと走行性能を与えたクルマには「GRスポーツ」というグレード名が付く。具体的にはスポーティなルックスに加え、“意のままの走り”を重視し、ハンドリング性能が強化されている。
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人気のヤリスクロスにGRスポーツが追加
2020年夏に登場したヤリスクロスは、コンパクトカーの「ヤリス」をベースに開発されたSUVで、発売当初から人気を博し、2年半が経過した現在もヤリスシリーズとして販売ランキング上位に君臨する。
自販連によると、ヤリスシリーズの販売台数は今年1月が1万4772台、2月1万5760台でいずれも乗用車で1位。販売台数の約半数がヤリスクロスだそうだ。
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その人気のヤリスクロスにもGRスポーツが昨年8月に設定された。ハイブリッド、ガソリンそれぞれのZグレードをベースに、前後サスペンションにノーマル車両とは特性の異なるブッシュ(ゴム部品)を用いたほか、数カ所に補強パーツを加えたことで引き締まった足まわりを演出した。
電動パワーステアリングの制御も変更。また車体の3箇所に補強のためのブレース(金属部品)を加え、車体剛性を上げた。
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気になる走りは?
試乗してみると、ノーマル車両に対し、乗り心地が硬くなったとまでは言わないが、引き締まったような印象を受けた。わずかなステアリング操作に対しても、より敏感に反応してくれ、ドライバーの意図どおりのラインを走行することができる。キビキビとした挙動を味わうことができ、運転が楽しい。
ただ引き締められた足というのは、見方を変えれば、路面の細かな凹凸を正直に乗員に伝えるということであり、ほんのわずかに乗り心地が硬く(悪く)なったと感じる人もいるだろう。
エンジニアは「GRが追求する走行性能を実現するため、(相反する場合には)乗り心地のゴツゴツ感が増すことを受け入れました」と説明する。この正直な説明によって信頼感が増す。この手のモデルの場合、「ハンドリングも乗り心地も両立させ……」といった説明が多いが、少なくともこの価格帯で両立されていたことはない。
ハイブリッドに限っては、システムを活用し、車体前方が沈んだらモーターをわずかに駆動させ、逆に車体前方が浮き上がったらモーターをわずかに回生させることで、それぞれの動きを抑えるという制御を連続的に入れ、車体の姿勢を安定させる制御(バネ上制振制御)を入れている。これはノーマルのハイブリッド車にも入っているのだが、その制御を強めたという。
結果、ヤリスクロスGRスポーツは、専用部品によって前後バンパーを中心に精悍な印象となった見た目を裏切らない、キビキビとした走行性能を獲得した。専用素材のシートもいい感じだ。
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トヨタ ヤリスクロス
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